#Drei【幻のゴーストワゴンを追え!!】
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ライブラオフィスとは、別の一室。
「……神々の義眼。その眼を手に入れたものは、現在から過去を眺め、未来をも見透すという」
手元でチェス駒をクルクル回す、スーツの男性。
エスメラルダ式血凍道、男、番頭役、伊達男、スティーブン・A・スターフェイズ。
顔にキズはあれど、多種多様なメンバーを纏める、良き上司である。
「謎は多いが、異界においても至高の芸術品だ。何がなんでも手に入れようとする輩は多いぜ?」
目の前のリーダーとチェスを指しながらの会話内容。
先日入社した新人、レオナルド・ウォッチについてだった。
クラウスは顎に手を当て、様子を見る。
「加えて我々ライブラの一員と知れた暁には……僕も一度会ったが、可哀想なことにならなきゃいいけどね」
盤に駒を置いたスティーブン。
彼の言ったことは、結局現実になる話だった。
* * *
所変わって、噂の張本人はというと。
「も〜おやだ!! なんでアンタ行く先々に居るのぉ!?」
「お前が俺の居る所に来るんだろうが陰毛頭ァ〜」
ピザ配達用の一人乗りバイクに、無理矢理二人で乗っていた。
主にザップが。
「あれェ〜、もしかしてこいつスト〜カ〜? 殺そうかなァ〜……おっ」
物騒な言葉を口にしながら、指先から血を伸ばして何かを拾う男。
この街特有の通貨、ゼーロコインである。
「もうけ〜」
滑走するバイクのスピードをものともせず、やったことはセコい。
根底が屑なので仕方ないが。
「いいのかなー、必殺能力そんなことに使ってー」
「バカおめェサムライだって包丁がなきゃ刀で大根斬るだろおめェ。ユーチューブで見たぞ俺は」
「いやそれはデモンストレーションだと思うんだけど……違うの!?」
運転しながら器用にツッコミをいれるレオ。
既にコンビ芸人みたいだが、それを言えば絶対に否定するだろう。
「そういえば……その血液を変幻自在に操る能力って、クラウスさんの技と同じ種類ですよね」
「まァな。だけど旦那のは俺なんかよりよっぽどえげつないぜ。ある連中にとっちゃ、最大の鬼門さ」
少年自身、血操を見たのは併せて数回程度。
操れる時点で特異だが、更にえげつないんだとか。
鉢植えの八つ当たりを目撃したので、納得は出来る。
「へぇ……じゃあ、ヴィータの血もそうなんですか?」
「……ヴィータ?」
「いやだって、前に自己紹介してくれた時に、ブレングリード流血闘術・改の使い手って言ってたし、クラウスさんと兄妹って事は、彼女の血を操る能力も同じなのかと……」
ふと、ライブラ案内の時に聞いた彼女の言葉を思い出す。
血液が毒というのも話に出てはいたが、詳細は省かれていたし、手段まで説明されることは無かったので。
運転していて見えない為、ザップの表情が変わったのに気付かなかった。
「……そうなる事が、アイツの望みなんだろうがな」
「え、ザップさん今なんて?」
「何でもねェよ、い・ん・も・う!」
「ちょっと! 無駄に強調しないでくださいよ!!」
雑音に掻き消され、しかも悪口ではぐらかされ、結局レオが真意を聞くことはなかった。
*