第7夜【未来予知とトランプ:前編】
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「……大体分かった。未来予知する人間がどんな奴か、探らなきゃならねェな」
「……うん……もう一人とも……合流しないと、だし……」
「……あぁ」
揺れる汽車の中。朝日が照らし込む車内で、シナデは任務の詳細を隣に座る神田に話していた。
夜に発車した後に二人は少し休み、偶然にも一緒に起きたのである。
「……神田……誰か、わかるの?」
「……気にするな」
「……うん」
『ポテンツァ、ポテンツァに止まります。お降りの方は……――』
「あ……もう着くみたい……」
「あぁ、鞄忘れんなよ」
「……うん」
汽車は停車の為に減速し始め、やがて止まった。
二人は席を立ち、ホームを抜けて町へと歩く。
イタリアで最も標高が高い町、ポテンツァ。
レンガや石畳で整備された町並み。
それに合わせるよう、歩く人々は気品を漂わせる者が多くみえる。
「……綺麗な町、だね……」
「まぁな。ここで待つぞ」
「……うん」
とりあえず、町の入口で待つ事にした神田達。
「……お前、そのピアス買ったのか?」
「……うん……リナリーが、おすすめしてくれたの……」
「そうか……似合ってる」
「……ありがとう」
普段から、ありがとう、という言葉と共に、無意識に微笑んでいたシナデ。
常人よりは本当に小さい笑みだが。
ただ、さっきの笑顔は、今までで一番だと神田は思った。
思わず顔をそらした神田。それでも、耳まで紅くなっているのが見えている。
「……かん――」
不思議に思い、彼の名を口ずさんだ時。
「だ~~れさ?」
「……わっ」
「……なっ、テメェ!!」
突然目の前が真っ暗になったシナデ。
そのすぐ後、聞き覚えのある“彼”の声が降ってきた。
神田は彼女の声に気付いて振り向いた途端、刀に手を掛ける。
「うわっ、ちょいユウ! こんなとこで六幻出しちゃダメさ!?」
「うるっせェ! さっさと手を――「その声……ナビ?」
「当ったりー! (ほんとはラビだけど)」
シナデが言い当てた人物、その男はナビならぬ「ラビ」だったのだ。
彼女は完全に覚え間違えをしており、おそらく直らないだろう。
視界が開けたシナデが振り返ると、ニッコリ笑ったラビが立っていた。
「……そっか……後一人って、ナビだったんだね……」
「そういう事! コムイに秘密にしてくれるよう頼んだんだ。シナデ、ビックリしたさ?」
「……うん」
「よっし、ドッキリ大成功さ! シナデ〜」
ラビがまたしてもニコニコしながら、シナデに近付こうとした刹那。
「うおぉぉ!?」
二人の間に刀、つまり六幻、つまり神田。
ラビの歩みは必然的に止まる。
「バカウサギ、テメェも調子こいてんじゃねェぞ! 覚悟はできてんだろうな……」
「いやっ、だから抜刀すんなって!? いくらエクソシストでも捕まるさ!!」
「元はといえばテメェの――「神田……」
今にもラビに刀を突き出そうとする神田。
だが以前の様に刃先へ手を添え、止めたシナデ。
「……ナビの、言う通り……ここで、騒ぎになったら……探しにくく、なるよ?」
「……チッ!」
「(た、助かったさぁ~……)」
盛大な舌打ちの後、神田は六幻を鞘に納めた。
ラビは強ばっていた肩をなで下ろす。
なんだか前にも見たことがある。
*