#Tre【Piccolino】
名前変換
Your name?*.名前を入れると、登場人物に自動変換します。
より楽しく読むために、名前を記入して下さい。
※愛称ですが、愛称がない場合は同じ名前を入れて下さい。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「幽霊~?」
「うん……あの、姉さんも一緒に来てくれないかな……」
「はぁ……分かったよ」
空は漆黒に包まれる、夜中の時刻。
リベルタ、ノヴァ、フェリチータの三人は、厨房の入り口で中の様子を窺っていた。
一緒にいるウィディーエは、扉近くの壁に寄り掛かっているだけだが。
こんな事になったのは今日の昼、少年少女組に依頼、正確にいうと頼み事があったからだ。
ノヴァの場合はリベルタに突っかかられて同行したようなものだが、何故姫君までいるかというと。
ただ単に、三人の話の途中に偶然居合わせたからだ。
見張っている間、仮にも女性のウィディーエが大きな欠伸をして眠り目を擦っている。
一番近くにいたノヴァは、呆れた目で彼女を見た。
「おいウィディーエ、武術長のくせに何だそれは」
「あ? ねみぃんだよ、欠伸くらい誰でもするだろ――「んだあぁぁぁ!!」
突然、彼女の言葉を遮ってリベルタが叫んだ。
ノヴァは、しーーっ! と言いながら注意している。
姫君はそのままの体制で、目線だけを向けた。
「どうしたの!?」
「あはー、いや、な、何でもな――」
次の瞬間、偶然なのかわざとなのか、彼が伸ばした手が、フェリチータの大きな胸に触れる。
やらかした本人のリベルタと、間近で見ていたノヴァは驚愕の表情をしていたが、フェリチータとウィディーエは、冷たい目でリベルタの行動を睨んだ。
姫君に至っては、黒いオーラが滲み出ている。
勿論その後は、フェリチータがリベルタに蹴りを入れまくっていた。
途中彼女のスカートの中まで見てしまった彼は、ナイフまで向けられている。
ウィディーエは腕を組み、先程よりどす黒いオーラを出してリベルタを一層睨んでいた。
「リベルタ、後で覚えとけよ」
「(コイツまで怒らせている……あのバカ、ただでは済まないな)」
そうこうしている内に、リベルタがフェリチータに飛ばされ、隣の部屋に倒れこんでいた。
そしてすぐさま硬直しているお嬢。
ノヴァとウィディーエは様子を見に隣の部屋を覗くと。
ひらひらと、透明で白い何かが宙を舞っていた。
見覚えがある姫は、驚くでもなく何か言おうとしたのだが。
フェリチータとノヴァの悲鳴に、掻き消されてしまった。
* * *
『パーチェ避け!?』
「はい。皆さんを驚かすつもりは、無かったんですが……」
時間は少し過ぎて、ここは厨房。
幽霊を“造った”本人、ルカから事情を聴いていた。
「幽霊の正体見たり、だな……くだらない」
「(一番驚いてたくせに……さて)」
心中でノヴァにツッコんだウィディーエだが、何を思ったのか、ルカとリベルタの後ろへ移動する。
「リアルさにこだわって、錬金術で少し細工もしましたからね。いやー、あんなに驚いてくれるとは……」
「ルカ」
「はい?」
「リベルタ」
「え?」
「まぁ取り合えず……死ねとは言わないから、くたばれ」
彼女は容赦なく、強烈な蹴りをお見舞いした。
夜中に二人の断末魔が、館に響いたという。
*