サンヨウの町

「………」モグモグ

ギルドを出た後、ネスは街中にあるベンチに腰掛け、購入したハンバーガーを咀嚼する。

「一人でのご飯って寂しくない?お兄さん。」

「ん?」

そんななか、一人の茶髪の少女がそう話しかけてくる。

「おまえはさっきのギルドにいた……何の用だ?」

「いやぁ~、ちょっとお兄さんに付き合ってもらいたいなぁと思って……」

「………」

「お願い!!なんでもするからさ!!」

「なんでも?」

「なんでも。」

「なら、奴隷商が合法的に営んでいる店に案内しろ。それだけで良い。」

「?奴隷商の店に?」

「あぁ……」

「わかった。」

そうしてネスは少女の案内で奴隷商の店へと向かうことにした。

「ところで、騒ぎを起こしたあの紫頭達はあの後、大丈夫だったのか?」

「ルドカー達のこと?まぁ、いつものことだし。それにルドカーは良いとこのお坊っちゃんでギルドマスターも頭が上がんないからギルド内での問題はある程度、揉み消されるの。」

店へと案内してもらっている最中、そう尋ねるネスに対し、少女は普通な感じでそう答える。

「……(ボソッ)やはり首領の言う通り、世界は創り変えるべきだな……」

「ん?今、何て?」

「いや、なにも……」

「ふーん……あ。そういえば、まだ自己紹介してなかったね。私はリリー・シュペルン。お兄さんは?」

「……ネスだ……後、一つ言っておくが、私は女だぞ。」

「嘘っ!?」
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