決闘

ワァァァーーーッ!!

キャアアアァァァッ!!

「な、なんということでしょう!?リョウ・アイダ選手、逆ギレして怪しげな注射を打ったと思ったらとてつもない変貌を遂げたぁぁぁっ!!?その姿、正にモンスター!!」

「怒りで己の力量を計り損ねて“力”に呑まれたか……哀れな……」

自ら投与したソロモンウイルスによって怪物へと変貌したリョウの姿に観客席が悲鳴に包まれ、チカミが嫌悪感丸出しな表情でそう実況するなか、ネスは冷静な表情でそう言う。

「グオオオォォォーーーッ!!」

『!?』

そんななか、怪物リョウはそう雄叫びを上げながら巨大化し、腕も四本に増える。

「グオオオォォォーーーッ!!」

巨大化した怪物リョウはそう雄叫びを上げながら肩の付け根の方の左腕を振り上げ、ネスに目掛けて降り下ろす。

「ッ!!」

ズガァァァンッ!!

対するネスは間一髪でかわす。

が、降り下ろされた腕は巨大なクレーターを作る。

(まともに食らったらひとたまりも無さそうだな……)

「………」スッ

『ね、ネス君!!それに会場にいる生徒諸君は速やかに逃げなさい!!ここは私達が抑える!!』

そのクレーターを見たネスがそう思いながらディスペアーメモリを取り出すなか、放送室からそう言う教師の声と共に何人かの教師達が駆けつけ、リングを覆っている結界を取り囲む。

「ネス君!早く逃げなさい!!彼は私達が止めます!!」

他の教師達と共に取り囲んだ後、肩甲骨までの黒髪に紫の瞳をした凛々しい女性教師、学年主任であるシリン・レディアはそうネスに呼び掛ける。

「ッ!!止めるだと?そんな震えている者がいる部隊で今の奴を止められるものか!!」

「!?」

が、ネスにそう指摘され、シリンはソロモンウイルスで怪物と化したリョウの姿に恐怖し、震えてしまっている新人の教師達に気付く。

『ディスペアー!!』

シュウウウ・・・ッ!!ガチャンッ!!

そんななか、ネスはディスペアーメモリを起動させ、ディスペアードライバーを装着する。

「グオオオォォォーーーッ!!」

ズオオオォォォーーーッ!!

対する怪物リョウはそう雄叫びを上げながら胃酸を吐き出すように放ってくる。

ズオオオォォォーーーッ!!

「!?危ない!!」

「「「「ネスさん(ちゃん)!?」」」」

ネスに迫る胃酸にシリンとクミ、ロック、バーナン、キャリーの五人は思わずそう声を上げる。

「大丈夫です。皆様。」

「!ハイディーンさん……」

「ネス様は……あのような攻撃では死にません……」

「変身。」

『ディスペアー!!』

ブオオオォォォーーーッ!!

『!?』

ハイディーンがそう言った瞬間、メモリをドライバーに装填し、展開したネスを中心に発生した、黒雷を伴った黒い風が怪物リョウの胃酸を吹き飛ばす。

パキィィィンッ!!

「………」

次の瞬間、ネスは黒雷を纏った漆黒の戦士、仮面ライダーディスペアーに変身する。

「こ、これはどういうことでしょう!?逆ギレしたリョウ・アイダ選手が怪しげな注射で怪物になったかと思えば、今度はネスちゃんが謎のベルトと小箱で黒雷を纏った漆黒の戦士へと姿を変えました!!ハッキリ言います!カッコイイ!!」

「ネス、カッコイイィーッ!!」

「オ・・・オォ・・・」

ディスペアーに変身したネスの姿にチカミがそう実況し、ミアが笑顔でそう言うなか、怪物リョウはその姿から放たれる重圧プレッシャーに思わず後退る。

「……来い、ディスペアーサーベル………」

バリィィィンッ!!ビュンッ!!パシッ!!

シュウウウ・・・ッ!!

「さぁ、絶望を受け取れ。」

そんななか、ネスはそう言いながらディスペアーサーベルを呼び出し、構える。

「な、なんと、空間がひび割れたかと思えば、そこから剣が出てきたぁっ!どうやらネスちゃんは姿を変えただけでなく剣まで使うとは………まさか、本気!?」

「いい加減黙れ。うるさい。」

「グオオオォォォーーーッ!!」

興奮しながらそう言うチカミの実況にネスが思わずそう言うなか、怪物リョウはそう雄叫びを上げながら襲いかかってきた。
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