決闘

「いえいえ。こちらもギリギリでした。またお手合わせお願いしたいです。」

「ふん・・・」

そうしてバーナンとガラハは互いに握手をする。

「試合を終えた両者、互いを讃え合いながらの握手ー!前の二試合に比べて名勝負を繰り広げた二人に拍手を!!」

パチパチパチパチ・・・ッ!!

「本当に教材にも使える良い試合でした。バーナン君、ガラハ君。お疲れ様。」

「因みにバーナン君。最後に姿を消したアレはどうやったの?」

途中で姿を消した方法について、チカミは首を傾げながらそう尋ねる。

「簡単に言えば、鏡だよ。」

「鏡?」

「うん。ネスちゃん。お願い。」

「あぁ……」

パキキ・・・ッ!!

バーナンに頼まれたネスは氷属性の魔法で簡易的な鏡を作り出す。

「鏡に光を当てると、こうやって光が反射するんだ。」

バーナンがそう言いながらネスが作った鏡に光を当てると、バーナンの言う通りに光が反射される。

「これと同じように別の角度を映して誤魔化してたんだぁ~。」

「なるほど………」

「実に興味深い技術ですね。」

「ネスちゃんが教えてくれたんだぁ~。」

「やはり、彼女には卒業後も当学院に教諭として残ってほしいですね。」

「尚!勝負は先に三勝したネスちゃん達、一年生チームに決まりましたが、試合自体はネスちゃんが事前に出した条件に基づき続きます!次の代表者は前へ!!」

ザワザワ・・・ザワザワ・・・ッ!!

「ルドカー。」

「おう。勝負は俺達の勝ちで決まりだけど、別に手加減しなくても良いんだよな?」

「あぁ……」

「頑張ってください。ルドカー君。」

「わざと負けたりなんてしたら許さないわよ!!」

「頑張ってぇ~。」

「へっ……」

事実上、自分達のチームが負けたという現実に観客席にいるディルムットの派閥の生徒達がざわつくなか、一週間の間で親しくなったロック、キャリー、バーナンの三人からの声援を受けながら、ルドカーはディルムットと対峙した。
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