サンヨウの町

サンヨウの町・・・

「あの……本当にこれだけで良いんですか?なんでしたら、宿の手配も」

「いらん。それくらい自分でなんとかする。」

十五分後、ネスはそう言いながら馬車を下りる。

「じゃあな。もう会うこともないだろうが……」

ネスはそう言いながらその場を歩き去っていく。

「ネス様……なんというか、とても凛々しく……不思議で素敵な御方でしたね……」

「お嬢様?なんか勘違いしておられるみたいですが、ネス様は女性でおられますよ?」

「!?」





「(ブルッ!!)なんか今、寒気がしたんだが……気のせいか……」

ネスはそう言いながら、本屋で本や新聞を読み、この世界や奴隷に関する知識をある程度収集していく。

(ふむ……どうやらこの世界には両者の合意の元で契約する合法奴隷と合意なしの不当で強引な手段で契約した違法奴隷の二種類があるのか……)

「……しかし、腹が減ってきたな……冒険者ギルドで情報収集ついでに食事するか……」

そうしてネスは本屋を出て、冒険者ギルドへと向かった。
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