決闘

ワァァァーッ!!

「これは凄い!チカにはキャリー選手の方が上手のように見えます!!あれ!?上級生、どっちだっけ!?」

「いやぁ~、今年の一年生は目を見張る子が多いですねぇ~・・・はぁ・・・」

「フッ!!」

ズガガァァァンッ!!

何時かのネスと同様、舞を舞っているかのようなキャリーの動きに歓声が湧き、チカミとアーシャ学園長がそう言うなか、キャリーは一矢を放ち、弓矢装備のゴーレム二体を射ぬく。

「くっ……!!」

「おぉーっと!先程まで六体だった筈のリュリ選手のゴーレムは早くも二体に!!アーシャ学園長、これをどう見ますか?」

「そうですね。ゴーレムは本来ならば、数よりも質を優先して生成するべきです。一対一なら尚のこと。数で個を攻めるなら戦術を考えるべきですね。」

「“アースドーム”!!」

ズズズ・・・ッ!!

チカミとアーシャがそう言うなか、リュリはそう言いながら土の上級魔法、“アースドーム”を使い、自分とゴーレムを土のドームを包み込む。

ワァァァーッ!!

「おぉーっと!!リュリ選手、ここで守りの体制に入ったぁっ!!しかし、これではリュリ選手も動けないのでは!?」

「リュリ選手は劣勢ですし、体制を整えるためには良い手と思います。しかし、これの弱点は相手から自分自身が見えないのと同じように自分もまた相手が見えないということですね。」

「ネスちゃんとの特訓で身に付けた技を使うにはちょうど良い状況だわ……」

パァァァ・・・

チカミとアーシャ学園長がそう言うなか、キャリーはそう言いながら自身の手元にある水の弓矢に全身から魔力を集中させ、溜めていく。

「“アクアドッズ”!!」

ズガアアアァァァンッ!!

次の瞬間、キャリーはそう言いながら先程よりそこそこ太めの光線のようになった水の矢を放つ。

“アクアドッズ”は螺旋状に回転しながら、リュリの“アースドーム”を抉りながら貫通する。

『………』

サァァァ・・・

技の威力に観客席が静まり返るなか、リュリの“アースドーム”が砂のように崩れていく。

「ガハッ!?そ、そんな……」

ドサッ!!

次の瞬間、キャリーの“アクアドッズ”によってお腹を抉られたリュリはそう言いながら倒れた。

「そこまで!!勝者、キャリー・アレッサ!!」

ワァァァーッ!!

「ここで決着ーっ!!さぁ、ここまでで一年生チームが二連勝!!上級生が負け続いている現状ってどうなのーっ!?」

「これは後で職員会議を開き、今後の教育方針を話し合う必要がありますね。」

「僕の人を見る目がないのかな……」

「エダセイ君もリュリちゃんも弱すぎワロタWWW」

チカミがそう実況し、アーシャ学園長とディルムットが頭を抱えながらそう言うなか、リョウは笑いながらそう言う。

「カカッ!これで二連勝だな。」

「やったね!キャリー!!」

「おめでとぉ~。」

「ありがとう!ロック!!バーナン!!」

「頑張ったな。キャリー。」

「ありがとう。ネスちゃんのおかげよ。」
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