決闘

ワ、ワァァァーッ!!

「アッサリでしたね。あれっ、アレが上級生!?」

「………」

第一試合のアッサリとした決着にワンテンポ遅れて歓声が湧き、チカミがそう言うなか、アーシャ学園長はエダセイのお粗末な戦い方に指でこめかみを押さえながら顔をしかめる。

「やったわね!!ロック!!」

「おめでとう~。」

「ふぅ……緊張したよ………」

「とりあえずは一勝だな。」

「ふん……」

「それでは!第二試合に入りたいと思います!!代表者は前へ!!」

「次は私が行くわ。」

今度はキャリーがそう言いながら前に出る。

「ふん……平民の娘が……私の美しさに平伏ひれふすがいいわ!!」

「それでは!リュリ・アーガイVSキャリー・アレッサ!試合開始!!」

「現れなさい!!私の美しき騎士!!」

ズズズ・・・ッ!!

派閥からの次なる刺客である二年女子、リュリがそう言った瞬間、地面から銀色の鎧騎士が出現する。

「ゴーレムか……」

「あぁ、あいつの十八番だな。」

「私の美しい騎士の剣」

ズドォンッ!!ガラガラ・・・ッ!!

「の錆……に……」

ネス、ルドカー、リュリの三人がそう言うなか、リュリが造り出したゴーレムに水の矢が刺さり、ガラガラと崩れ落ちる。

「………」

キャリーの手にはいつの間にか水の弓矢が形成されていた。

「なっ……!?」

ワァァァーッ!!

「おぉーっと!!先手必勝を狙って造り出した、リュリ先輩のゴーレム騎士が、逆に先手必勝と言わんばかりにキャリーちゃんが放った水の矢で射ぬかれて崩れ落ちてしまいましたぁっ!!」

「あれはアーガイさんのゴーレムが精巧に造られ過ぎてるわね。美しさで評価するなら確かに十分素晴らしいとは思うけど、戦闘面で評価するなら細部が脆すぎる。あれじゃあ、ゴーレムを戦場で活躍させるのは難しいわね。」

「フッ!!」

シュパァァァンッ!!

チカミとアーシャ学園長がそう言うなか、キャリーは追撃の水矢を放つ。

「くっ!今のはまぐれですわ!!」

ズズズ・・・ッ!!

対するリュリはそう言いながら、かわしながら槍を装備したゴーレム一体、剣を装備したゴーレム一体、弓矢を装備したゴーレム二体、長大な盾を装備したゴーレム二体の計六体を造り出す。

「ランサー!ソルジャー!やっておしまい!!」

リュリはそう言いながら二体のゴーレムを向かわせ、ゴーレム達は槍や剣で斬りかかる。

「“アクアスタンプ”。」

が、キャリーがそう言った瞬間、足裏から螺旋状の水流が起き、キャリーはその水流をバネ代わりにして跳躍、ゴーレム達の攻撃を回避する。

「フッ!!」

ズガガァァァンッ!!

回避した後、キャリーは一矢の水矢を放ち、二体のゴーレムを射ぬき、粉砕する。

「くっ……まだですわ!!アーチャー!!」

シュパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパッ!!

リュリはそう二体の弓矢装備のゴーレムに命じた瞬間、ゴーレム達は矢を放つ。

が、キャリーは“アクアスタンプ”で上げた機動力を駆使して、ゴーレム達の矢をかわしていった。
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