派閥との諌かい

「ちょっと!!いきなり大勢で寄って集ってそんな言い草はないんじゃない!?」

「そうですよ!!それにネスさんの優秀さはマルチス先生やバングレイ先生(実技担当)達も評価しています!!」

「なにより、ネスちゃんに教えてほしいって言い出したのは僕達だし、先生達だってネスちゃんには将来、基礎魔法の担当教諭として学園に残ってほしいって話もあるしねぇ~。」

「なんだ、貴様ら、貴族である俺達に意見する気か!?」

「平民のくせに生意気な!!」

そんななか、キャリー、ロック、バーナンの三人がそう意見し、派閥生徒(貴族)は睨み付けながらそう言う。

「落ち着きなさい。君達。これじゃあ落ち着いて話もできないし、何より品がない。」

「キャリー達も落ち着け。で、結局のところ、用件はなんだ?」

そんな派閥生徒達に対し、『精愛』は軽く諌め、ネスも三人を落ち着かせてからそう尋ねる。

「あぁ、すまないね。こちらの用というのは君がやっている先生の真似事をやめさせるべきだと僕の派閥の者達がうるさくてね。」

「で?」

「やめてくれないかな?君がやっている先生の真似事。」

「断る。」

笑顔でそう言う『精愛』に対し、ネスは即答で拒否する。

「そちらに従う理由はない。そもそも、学舎においては切磋琢磨するのは当然だと思うが?そこに水を差す理由が何処にある?」

「ふざけんな!!おまえのやっていることは学園の品位を損なうって言ってんだ!!」

そう言って反論するネスに対し、またしても茶髪男子生徒が噛みついてくる。

「品位?そんなもの、戦場で大事なものか?」

「なに!?」

「確かに社交界では品位もまた大事なものだろう。だが、ここは社交界ではなく魔法を学ぶ場だ。そして、魔法はただ美しく魅せるための飾りじゃない。己の生活を少しでも豊かにするため、そして、戦場で生き抜くため、大事なものを護るために使うものだ。民を護るのが務めといってもいい貴族がそんなこともわからないとは。世も末だな。」

「き、貴様!!家名無しの分際で!!」

頭に血が登った茶髪男子生徒はそう言いながら“フレイムランス”を放とうとする。

トンッ

「!?」

「………」

が、それよりも先に茶髪男子生徒の目の前まで身体強化なしで移動したネスが首筋に軽く手刀を当てた。
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