基礎魔法とネスの気紛れ
森の中・・・
「ねぇ。ネスちゃん。」
「ここで一体何を?」
「?」
“転移”で連れてこられた後、ツインテールとロックは首を傾げながらそう尋ね、小太りも首を傾げる。
「木登り。」
「へ?」
「木登り?」
「………」
が、ネスから返ってきた答えに三人は思わず目が点になる。
「言っておくが、ただ登るんじゃないぞ。手を使わずに登るんだ。」
「「へ?」」
「手を使わずに?」
「……よく見ていろ……」
パァァァ
ネスはそう言いながら両足に金が混ざった黒い魔力を集中させる。
「「「おぉ……っ!!」」」
「自分のは感じ取れても他人のはまだ感じ取れないだろうからな。今はわかりやすいようにしている。」
ネスはそう言いながら魔力をさらに両足の裏に集中させる。
スタ・・・スタ・・・
「え!?」
「嘘でしょ!?」
「………」呆然
次の瞬間、ネスは普通に歩くように木の幹に足の裏を着けて、垂直に登ってみせる。
「足の裏から魔力を放出させて、木の幹に吸着させている。上手く使えばただ魔法を撃つだけでなく、こんなこともできるって訳だ。」
「す、凄い……」
「凄いけど……」
「スカートの下が……」
「スパッツを穿いているから問題ない……この木登り訓練の目的はおまえ達が身に付けたい魔力のコントロールとスタミナだ。この木登りに必要とされる魔力の量は極めて微妙。並びに足の裏は身体の中の魔力の流れを集中させるには最も難しい部位だ。そして、その足の裏から必要な分の魔力だけを放出し、それを維持し続けるのは相当な困難を要する。」
ツインテールがそう言いながら見つめるなか、ネスはそう訓練の目的を説明する。
「戦場は常に動き続けなきゃいけなくなるのが殆んどだからな。そんな状況下での魔力のコントロールとそれを持続させるスタミナは困難を極める……」
「しつもーん!!」
「なんだ?」
「僕達、魔導士は後方で動かないで魔法を撃つってイメージが強いと思うんだけど……」
「「確かに……」」
首を傾げながらそう言う小太りの言葉に対し、ロックとツインテールはそう同意の意を示す。
「確かに自分を護ってくれる騎士等といった前衛との協力戦なら後方で動かないで魔法を撃つというのはアリだろう。が、凄腕の騎士や狂暴な魔物との一対一や一対多勢の場合はどうする気だ?まさか、詠唱が完了するまで待ってくれって言うつもりか?そんなんじゃ戦場では生き残れんぞ。」
「「「うっ・・・」」」
「この木登り訓練で魔力のコントロールとそれを持続させるスタミナを極めれば、あらゆる魔法を使うことができ、戦闘でも優位に立てる……あくまで理論上だがな……」
「「「!?」」」
そう説明するネスの言葉に三人は期待に目を輝かせる。
「まぁ、口で色々と説明するよりも……トレース・オン……」
ネスはそう言いながら三本のナイフを投影し、
ヒュッ!!シュカカカッ!!
「「「!?」」」
「身体で直接覚えてもらった方が手っ取り早いな。」
そう言いながら、三人の足元目掛けて投擲し、突き刺す。
「そのナイフで今、自分が登れる位置に傷を付けろ。そして、次からはその傷より上の位置に傷を付けるように心掛ける……最初から歩いて登るのは無理だろうから、最初は勢いをつけて走り、徐々に慣らしていくといい。」
「よ、よぉしっ!!」
小太り、バーナンはそう言いながらナイフを手に取る。
「教室で覚えた感覚で魔力を足の裏に集中させて、放出するイメージでやってみろ。」
そう言うネスの言葉に従いながら、バーナンは教室で覚えた感覚で魔力を両足の裏に集中させる。
「おおぉぉぉーーーっ!!」
次の瞬間、バーナンはそう言いながら走って登り始めた。
「ねぇ。ネスちゃん。」
「ここで一体何を?」
「?」
“転移”で連れてこられた後、ツインテールとロックは首を傾げながらそう尋ね、小太りも首を傾げる。
「木登り。」
「へ?」
「木登り?」
「………」
が、ネスから返ってきた答えに三人は思わず目が点になる。
「言っておくが、ただ登るんじゃないぞ。手を使わずに登るんだ。」
「「へ?」」
「手を使わずに?」
「……よく見ていろ……」
パァァァ
ネスはそう言いながら両足に金が混ざった黒い魔力を集中させる。
「「「おぉ……っ!!」」」
「自分のは感じ取れても他人のはまだ感じ取れないだろうからな。今はわかりやすいようにしている。」
ネスはそう言いながら魔力をさらに両足の裏に集中させる。
スタ・・・スタ・・・
「え!?」
「嘘でしょ!?」
「………」呆然
次の瞬間、ネスは普通に歩くように木の幹に足の裏を着けて、垂直に登ってみせる。
「足の裏から魔力を放出させて、木の幹に吸着させている。上手く使えばただ魔法を撃つだけでなく、こんなこともできるって訳だ。」
「す、凄い……」
「凄いけど……」
「スカートの下が……」
「スパッツを穿いているから問題ない……この木登り訓練の目的はおまえ達が身に付けたい魔力のコントロールとスタミナだ。この木登りに必要とされる魔力の量は極めて微妙。並びに足の裏は身体の中の魔力の流れを集中させるには最も難しい部位だ。そして、その足の裏から必要な分の魔力だけを放出し、それを維持し続けるのは相当な困難を要する。」
ツインテールがそう言いながら見つめるなか、ネスはそう訓練の目的を説明する。
「戦場は常に動き続けなきゃいけなくなるのが殆んどだからな。そんな状況下での魔力のコントロールとそれを持続させるスタミナは困難を極める……」
「しつもーん!!」
「なんだ?」
「僕達、魔導士は後方で動かないで魔法を撃つってイメージが強いと思うんだけど……」
「「確かに……」」
首を傾げながらそう言う小太りの言葉に対し、ロックとツインテールはそう同意の意を示す。
「確かに自分を護ってくれる騎士等といった前衛との協力戦なら後方で動かないで魔法を撃つというのはアリだろう。が、凄腕の騎士や狂暴な魔物との一対一や一対多勢の場合はどうする気だ?まさか、詠唱が完了するまで待ってくれって言うつもりか?そんなんじゃ戦場では生き残れんぞ。」
「「「うっ・・・」」」
「この木登り訓練で魔力のコントロールとそれを持続させるスタミナを極めれば、あらゆる魔法を使うことができ、戦闘でも優位に立てる……あくまで理論上だがな……」
「「「!?」」」
そう説明するネスの言葉に三人は期待に目を輝かせる。
「まぁ、口で色々と説明するよりも……トレース・オン……」
ネスはそう言いながら三本のナイフを投影し、
ヒュッ!!シュカカカッ!!
「「「!?」」」
「身体で直接覚えてもらった方が手っ取り早いな。」
そう言いながら、三人の足元目掛けて投擲し、突き刺す。
「そのナイフで今、自分が登れる位置に傷を付けろ。そして、次からはその傷より上の位置に傷を付けるように心掛ける……最初から歩いて登るのは無理だろうから、最初は勢いをつけて走り、徐々に慣らしていくといい。」
「よ、よぉしっ!!」
小太り、バーナンはそう言いながらナイフを手に取る。
「教室で覚えた感覚で魔力を足の裏に集中させて、放出するイメージでやってみろ。」
そう言うネスの言葉に従いながら、バーナンは教室で覚えた感覚で魔力を両足の裏に集中させる。
「おおぉぉぉーーーっ!!」
次の瞬間、バーナンはそう言いながら走って登り始めた。