ダンブルドア帝立魔導学園

「なるほど……例の密書の件を調べるためにブルッグルの伝手で入ったのか……」

「あぁ……」

「ねぇ。あの子、ルドカー様と普通に話してるけど……」

「知り合いなのかな?」

普通に言葉を交わすルドカーとネスを遠目に見ながらクラスメートの女子がそう話をするなか、最初の錬金術学の授業が始まり、ネスはルドカーの前の席に座る。

「(カキカキ)え~、では、この魔法式の続きを……君。答えられるかな?」

「はい。」

頭が禿げて眼鏡を掛けているのが特徴の錬金術学担当の教師に指名されたネスはそう言いながら黒板の前に立ち、チョークを手に取る。

(あ!?この式、次の三年の授業でやる予定だった……まだ三年でもやってない難易度の高いやつだった!!)

指名した後、自分がやろうとしていた式を間違えていたことに気付いた担当教師がそう思いながら動揺するなか、ネスは正しい式をスラスラと書いていく。

『………』

「(カキカキ)・・・先生。これで良いですか?」

「か、完璧だ……」

『おぉ……っ!!』

書き終えた後、そう確認するネスに担当教師が驚愕を隠しきれないといった風にそう言うなか、他の生徒達からそう言う感嘆の声が上がる。

「き、君ぃっ!!」ガシッ!!

そんななか、担当教師がネスの手を握ってくる。

「君、確か、ネス君と言ったか!!君は卒業後の進路は決まっているのかね!?決まってないのなら、私の助手になってみる気はないかね!!?」

握った後、担当教師は興奮した様子でそう勧誘する。

「え~と……その返事は前向きに考えさせてもらってもいいですか?」

「そ、そうだな。ゆっくり考えておいてくれたまえ。」

キーンコーンカーンコーン

そんななか、授業終了を告げる鐘の音が響き渡る。

「くくっ……マルチス先生に気に入られちまったな……」

「ふぅ……次は魔法実技だったか?」

「あぁ、そうだ。グラウンドでやるんだ。一緒に行こうぜ。」

そうしてネスとルドカーは教室を出て、グラウンドへと向かった。
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