絶望の少女

「お、俺達はただの下請けの使いっぱしりで!!ここで網張って捕まえた女やガキ、亜人共を組織の奴隷商に引き渡していただけなんだよぉ!!」

その後、仲間の血で汚れたスキンヘッドはネスに片手剣を首元に突きつけられながら、震えながらそう言う。

「なら、その引き渡す相手の奴隷商は何処にいる?」

「こ、ここの近くにあるサンヨウの町にいるのは知ってっけど、具体的な取り引き場所はお頭と幹部(両名、既に死亡)だけで連れてったから下っ派の俺は本当に他には何も知らねぇんだよぉ!!!」

「ちっ……」

(生かす人選を間違えたか。)

「し、知ってることは全部、喋った!!だから、命だけは!!!」

バシャアァァッ!!

「ぶべっ!?」

命乞いをしてくるスキンヘッドに対し、ネスは魔力で作り出した冷水をぶっかける。

「貴様など、斬る価値もない。これ以上、邪魔をする気がないのなら、今は生かしておいてやる。失せろ。」

「ヒイィィーーーッ!!!」

スキンヘッドは情けない悲鳴を上げながらその場から逃げ去っていく。

ボオオオォォォッ!!

「……サンヨウの町に行くしかないか……」

人拐い達の死体を黒炎で焼却処分した後、ネスはそう言いながらサンヨウの町へと向かっていった。
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