「いやぁ～、割とあっさり終わったねぇ～♪」

「ふん・・・」

その後、ハルクジャイアントの死体を処理したルナティックとネスはそう言いながらメイリー達の元へと戻る。

すると、ダイン(偽)は血溜まりの中で倒れ、召喚士はルドカーに治療してもらって復活したディックに押さえつけられていた。

「あれ？殺っちゃったの？」

「いや。我々も殺さないようにギリギリまで追いつめたんだが、奴め、勝てないと悟るや否や首筋に剣を当てて自害しやがったんだ。」

「召喚士の方はダイン(偽)が命じない限り、何もできないのか、ダイン(偽)が死んだ直後、何の抵抗もせずに捕まりました。」

首を傾げながらそう尋ねるルナティックに対し、ラルゴとクインはそう説明する。

「これじゃあまるで操り人形だ。」

その後、ラルゴはそう言いながら召喚士のフードを取る。

召喚士の正体はボサボサに伸びた長い黒髪に褐色の肌、黄色い瞳とエルフと同じ特徴の耳を持った、十四歳くらいのダークエルフの少女だった。

「ダイン(偽)の態度からみて、もしやと思ったが……やはり奴隷だったか……」

召喚士の正体が発覚した後、ラルゴはダークエルフに付けられている首輪を発見する。

「こりゃあ長い間、隷属させられてるな。おまけに制限もかなり強めに掛けられてそうだ。」

ルドカーはそう言いながら、ダークエルフの目の前で掌をヒラヒラさせる。

「………」

が、その眼球はピクリとも動かず、生気も感じられない。

「酷い……」

「……ネス殿……」

「……なんだ？」

「こんなことを頼める立場ではないのは重々承知している……が、あの子の首輪も外してやってはくれないか？」

そんなダークエルフを見て、そう悲痛な声を上げるエーテルを見て、領主はそうネスに頼み込む。

「……まぁ、情報を聞き出すためにもやれるだけやってみるか……」

対するネスはそう言いながらダークエルフに歩み寄る。

「大丈夫か？首輪を作った魔導士の腕前は恐らくメイドの首輪を作った奴より数段上だ。」

そんなネスに対し、ルドカーは真剣な表情でそう言う。

「まぁ、黙って見ていろ。」

対するネスはそう言いながらダークエルフと向き合う。

「今から首輪を外してやるから大人しくしてろよ。」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

「………」

ネスはそう言いながらダークエルフの頭を撫でる。

その時のネスは心なしか、穏やかな笑顔を浮かべていた。