領主とエルフ
「ヴィアイン商会は店舗を持たないと言っていたのに……町の奴隷商達もヴィアイン商会の人間だったのか?」ブツブツ
「え、え~と、領主様は本当に奴隷商とは繋がりはないんですか?」
「領主様はただ私の首輪の制限を外せる魔導士を探してくれていただけですよ!!」
エーテルの話を聞いた後、そう言いながら思案を始める領主に遠慮がちにそう尋ねるメイリーに対し、エーテルは思わず声を荒げながらそう言う。
「?首輪の制限を外せる魔導士……ですか?」
「はい。実は……」
首は傾げながらそう言うメイリーに対し、領主はメイリーの父親にエーテルの首輪の制限を外せる有能な魔導士を紹介してもらおうとしていたことを白状する。
なんでもメイリーの父親は帝都でも有力な貴族で魔導学園にも多額の寄付をして顔が利くらしい。
領主の算段ではまずエーテルを紹介し、その流れで首輪の制限を外せる魔導士を紹介してもらえるよう交渉しようとしていた。
その際、メイリーがエルフ奴隷に興味があるようだったので心象を良くしようと「次、奴隷商が来たら紹介する。」と口走ってしまったとか(ネス曰く「紛らわしい。」)。
「確かに我がブルッグル家は魔導学園に多額の寄付をしていますから、有能な魔導士の伝手は多いですね。」
「本来ならば、エーテルを売ってくれた奴隷商に首輪の制限を外してもらえれば良いんですが、その奴隷商からは契約後は何があっても制限を外すことはおろか書き換えもしないと言われたので第三者を探す他なかったんです。」
「それで俺にも相談してきたのか……しかし、妙な話だよな。ブルッグルの話だとヴィアイン商会ってのは十年も前から違法行為をやってたんだろ?それだけ長い間、気付かなかったってのはどうよ?」
メイリーにそう事情を説明する領主に対し、ルドカーはソファーの背凭 れに身体を預けながらそう言う。
「ッ……それは私の不徳の致すところ。申し開きのない事実として謝罪する。しかし、今でも不思議でならないんだ。何故、十年もの間、気付かなかったのか……」
(まぁ、ヴィアイン商会の背後には『Xマジンラー』がいるからな。)
「いずれにせよ、この地が違法なエルフ奴隷の産出地になっていたのは私の落ち度。贖罪 のためにできることは何でもするつもりです。」
ネスが密かにそう思っているなか、領主は真剣な表情でそう言う。
「それは領主様も協力してくださるということでよろしいですか?」
「はい。」
「では、エーテルさんに帝都にて、改めてお話を聞きたいのですが……」
「それで領主様の助けになるなら、私はいくらでも証言します。」
真剣な表情でそう言うメイリーに対し、エーテルも真剣な表情でそう言う。
「今までは疑惑でしかなかった違法奴隷の横行がエーテルさんの証言で事実として明らかになった今、後手後手に回っていた調査がさらに本格的に踏み込めます!!明日にでも帝都に戻って、お父様に報告しなければ!!」
「とりあえずは町の奴隷商を呼び出しましょう。エーテルが預けられていた以上、ヴィアイン商会と関係はある筈です。」
「その必要はない。既にディックが調査に向かっている。もうすぐで戻ってくる筈だから、少しでも不自然な点があれば、衛兵達と共に乗り込むとしよう。」
(あぁ、ディックはそっちに行っていたのか。)
真剣な表情でそう言うクインの言葉にネスは密かにそう思った。
「え、え~と、領主様は本当に奴隷商とは繋がりはないんですか?」
「領主様はただ私の首輪の制限を外せる魔導士を探してくれていただけですよ!!」
エーテルの話を聞いた後、そう言いながら思案を始める領主に遠慮がちにそう尋ねるメイリーに対し、エーテルは思わず声を荒げながらそう言う。
「?首輪の制限を外せる魔導士……ですか?」
「はい。実は……」
首は傾げながらそう言うメイリーに対し、領主はメイリーの父親にエーテルの首輪の制限を外せる有能な魔導士を紹介してもらおうとしていたことを白状する。
なんでもメイリーの父親は帝都でも有力な貴族で魔導学園にも多額の寄付をして顔が利くらしい。
領主の算段ではまずエーテルを紹介し、その流れで首輪の制限を外せる魔導士を紹介してもらえるよう交渉しようとしていた。
その際、メイリーがエルフ奴隷に興味があるようだったので心象を良くしようと「次、奴隷商が来たら紹介する。」と口走ってしまったとか(ネス曰く「紛らわしい。」)。
「確かに我がブルッグル家は魔導学園に多額の寄付をしていますから、有能な魔導士の伝手は多いですね。」
「本来ならば、エーテルを売ってくれた奴隷商に首輪の制限を外してもらえれば良いんですが、その奴隷商からは契約後は何があっても制限を外すことはおろか書き換えもしないと言われたので第三者を探す他なかったんです。」
「それで俺にも相談してきたのか……しかし、妙な話だよな。ブルッグルの話だとヴィアイン商会ってのは十年も前から違法行為をやってたんだろ?それだけ長い間、気付かなかったってのはどうよ?」
メイリーにそう事情を説明する領主に対し、ルドカーはソファーの
「ッ……それは私の不徳の致すところ。申し開きのない事実として謝罪する。しかし、今でも不思議でならないんだ。何故、十年もの間、気付かなかったのか……」
(まぁ、ヴィアイン商会の背後には『Xマジンラー』がいるからな。)
「いずれにせよ、この地が違法なエルフ奴隷の産出地になっていたのは私の落ち度。
ネスが密かにそう思っているなか、領主は真剣な表情でそう言う。
「それは領主様も協力してくださるということでよろしいですか?」
「はい。」
「では、エーテルさんに帝都にて、改めてお話を聞きたいのですが……」
「それで領主様の助けになるなら、私はいくらでも証言します。」
真剣な表情でそう言うメイリーに対し、エーテルも真剣な表情でそう言う。
「今までは疑惑でしかなかった違法奴隷の横行がエーテルさんの証言で事実として明らかになった今、後手後手に回っていた調査がさらに本格的に踏み込めます!!明日にでも帝都に戻って、お父様に報告しなければ!!」
「とりあえずは町の奴隷商を呼び出しましょう。エーテルが預けられていた以上、ヴィアイン商会と関係はある筈です。」
「その必要はない。既にディックが調査に向かっている。もうすぐで戻ってくる筈だから、少しでも不自然な点があれば、衛兵達と共に乗り込むとしよう。」
(あぁ、ディックはそっちに行っていたのか。)
真剣な表情でそう言うクインの言葉にネスは密かにそう思った。