お願い
「………」無表情
「おまえ、少しは笑ったりしねぇのかよ。この状況で。」
「必要ないし。興味もない。」
ネスはそう言いながらその場を去ろうとする。
「何処、行くんだよ?」
「さっきの奴隷商の店だ。おまえのせいで予定が遅れたからな。」
ネスはそう言いながらその場を去ろうとする。
「今はやめといた方が良いぜ。さっき、おまえや俺らが暴れたことやキマイラの目撃情報のせいで衛兵共が目をギラつかせながら彷徨いてるからな。」
「ちっ!」
「おまえ、あの店に一体何の用があったんだよ?場合によっちゃあ手貸してやるぜ?」
思わず舌打ちするネスに対し、ルドカーは首を傾げながらそう尋ねる。
「……この町で活動している、違法奴隷を扱う商人を探しているだけだ……」
「!?……その商人はエルフといった亜人族も扱ってるのか?」
「……この町の情報を聞き出した人拐いからはそう聞いている……」
「だったら、店よりも手っ取り早そうな所を知ってるぜ。」
「なに?」
腕組みしながらそう言うルドカーに対し、ネスは怪訝な表情でそう言う。
「……領主の所だよ……」
「領主だと?」
「あぁ、最近、エルフを扱ってる流れの奴隷商が領主の屋敷を出入りしていてな。領主はその奴隷商から一人のエルフの奴隷を買ったらしいんだが……その領主からこの間、妙な相談を受けたんだよ……」
「妙な相談?」
「……奴隷商には内密で奴隷の首輪の制限を解くにはどうすれば良い?って聞かれたんだよ……」
「?首輪の制限?何だ?それは。」
ルドカーが言った『奴隷の首輪の制限』のことについて、ネスは首を傾げながらそう尋ねる。
「首輪の制限っつうのは首輪に施した術式で奴隷にかける制限のことだ。その手の奴隷にかける制限で代表的なのは視覚や聴覚を奪ったり、感情を抑えたりとかだな……奴隷を雇うなんて裕福じゃなきゃできねぇことだからな。汚いことやって高い地位にいる連中はそういった制限をかけて、奴隷を雇うんだよ。」
「首輪の制限はその奴隷の所有者が解けるものじゃないのか?」
「首輪の制限はその奴隷商に雇われている魔導士が客の要望に応じて施すもんだ。無論、客がその首輪の制限を解きたくなったり、設定を変えたくなったら売った奴隷商に行けば、解除も書き換えもできる。普通はな。」
「なら何故、領主は奴隷商には内密で首輪の制限を解こうとしているんだ?」
「知らねぇよ、そんなもん。でも、妙な話だと思うだろ?俺だって相談に乗った時は妙なことを聞いてくるなと思ったぜ。」
「………」
「気になるんなら、俺が渡りを作ってやるよ。これでも一応上流貴族の出だからな。領主には顔が利くんだ。」
「?何故、おまえが私に協力するんだ?」
急に協力的になったルドカーに対し、ネスは首を傾げながらそう尋ねる。
「おまえにはマリアさんを助けてもらったっていうでかい借りがあるからな。それに俺は一度受けた恩を仇で返す程の屑でもねぇんだよ。」
「………」
「で、どうするよ?」
「ふむ……おまえの案に乗った方が確かに手っ取り早そうだな。」
「……決まりだな……」スッ
ルドカーはニヒルな笑顔でそう言いながら手を差し出す。
「ふん……」
ガシッ!!
対するネスはそう言いながらその手を掴み、二人は握手を交わした。
「おまえ、少しは笑ったりしねぇのかよ。この状況で。」
「必要ないし。興味もない。」
ネスはそう言いながらその場を去ろうとする。
「何処、行くんだよ?」
「さっきの奴隷商の店だ。おまえのせいで予定が遅れたからな。」
ネスはそう言いながらその場を去ろうとする。
「今はやめといた方が良いぜ。さっき、おまえや俺らが暴れたことやキマイラの目撃情報のせいで衛兵共が目をギラつかせながら彷徨いてるからな。」
「ちっ!」
「おまえ、あの店に一体何の用があったんだよ?場合によっちゃあ手貸してやるぜ?」
思わず舌打ちするネスに対し、ルドカーは首を傾げながらそう尋ねる。
「……この町で活動している、違法奴隷を扱う商人を探しているだけだ……」
「!?……その商人はエルフといった亜人族も扱ってるのか?」
「……この町の情報を聞き出した人拐いからはそう聞いている……」
「だったら、店よりも手っ取り早そうな所を知ってるぜ。」
「なに?」
腕組みしながらそう言うルドカーに対し、ネスは怪訝な表情でそう言う。
「……領主の所だよ……」
「領主だと?」
「あぁ、最近、エルフを扱ってる流れの奴隷商が領主の屋敷を出入りしていてな。領主はその奴隷商から一人のエルフの奴隷を買ったらしいんだが……その領主からこの間、妙な相談を受けたんだよ……」
「妙な相談?」
「……奴隷商には内密で奴隷の首輪の制限を解くにはどうすれば良い?って聞かれたんだよ……」
「?首輪の制限?何だ?それは。」
ルドカーが言った『奴隷の首輪の制限』のことについて、ネスは首を傾げながらそう尋ねる。
「首輪の制限っつうのは首輪に施した術式で奴隷にかける制限のことだ。その手の奴隷にかける制限で代表的なのは視覚や聴覚を奪ったり、感情を抑えたりとかだな……奴隷を雇うなんて裕福じゃなきゃできねぇことだからな。汚いことやって高い地位にいる連中はそういった制限をかけて、奴隷を雇うんだよ。」
「首輪の制限はその奴隷の所有者が解けるものじゃないのか?」
「首輪の制限はその奴隷商に雇われている魔導士が客の要望に応じて施すもんだ。無論、客がその首輪の制限を解きたくなったり、設定を変えたくなったら売った奴隷商に行けば、解除も書き換えもできる。普通はな。」
「なら何故、領主は奴隷商には内密で首輪の制限を解こうとしているんだ?」
「知らねぇよ、そんなもん。でも、妙な話だと思うだろ?俺だって相談に乗った時は妙なことを聞いてくるなと思ったぜ。」
「………」
「気になるんなら、俺が渡りを作ってやるよ。これでも一応上流貴族の出だからな。領主には顔が利くんだ。」
「?何故、おまえが私に協力するんだ?」
急に協力的になったルドカーに対し、ネスは首を傾げながらそう尋ねる。
「おまえにはマリアさんを助けてもらったっていうでかい借りがあるからな。それに俺は一度受けた恩を仇で返す程の屑でもねぇんだよ。」
「………」
「で、どうするよ?」
「ふむ……おまえの案に乗った方が確かに手っ取り早そうだな。」
「……決まりだな……」スッ
ルドカーはニヒルな笑顔でそう言いながら手を差し出す。
「ふん……」
ガシッ!!
対するネスはそう言いながらその手を掴み、二人は握手を交わした。