『Ｘマジンラー』、本拠地、廊下・・・

「ドクター。ウーノ………」

「トーレ………」

「君が一人で戻ってきたということは……」

「はい。セッテは『ウェズペリア』で友を得て、その友と共に生きる道を選びました。」

『Ｘマジンラー』の本部での廊下にて、トーレはセッテのことについて、そうスカリエッティとウーノに報告する。

「そうか………」

「あなたは良いの？トーレ。セッテと一緒に行かなくて。」

「あぁ。二人を置いて、私だけ組織を抜ける訳にはいかないからな。」

首を傾げながらそう尋ねるウーノに対し、トーレは真剣な表情でそう言う。

「ふむ……」

「どうします？ドクター。」

「少なくとも今、抜けるのは得策じゃないだろうね。君達はともかく、私は下手をすれば、消されかねない……」

「「ッ……」」

組織のメンバーであるデスガンによって脱獄し、加入してから二週間、スカリエッティは『Ｘマジンラー』が自分達以上に危険な存在であることに気付いていた。

「とりあえずタイミングは組織が今、敵対しているノゾミ・ナカムラという少女とその仲間……彼女達との最終決戦の際に裏切って、彼女達の方に着くのがベストだろうね……それまでは組織のメンバーとして技術や戦力の提供をしながら、組織の内部を探っていくとしよう……」

「「了解しました。ドクター。」」

こうしてスカリエッティ、ウーノ、トーレの三人は組織を抜けるために密かに行動を開始したのだった。