再会と甦る黒雷

「セッテ!!」

「な、なんだ!?これは」

(ハハハハハハハハハッ!!遂にィ!!遂に来たぞ!!この時がァ!!!)

セッテの身体から溢れ出た黒い雷を見て、ノゾミがそう呼びかけ、トーレがそう困惑の声を上げるなか、先程までセッテの頭の中に響いていた“声”が聞こえてくる。

「!?この声は……まさか!?」

パァァァ

「「!?」」

その“声”を聞いて、ノゾミがそう言うなか、ネクサスの『光の力』によって封印状態にあったゼウスドライバーがセッテの腰辺りに出現する。

バシュウウウッ!!バリイイイィィィンッ!!

出現したゼウスドライバーはセッテから離れ、セッテの身体から溢れ出た黒い雷・・・マイナスエネルギーがゼウスドライバーに集まり、人の形に変わっていく。

パキィィィンッ!!

「「!?」」

「ふぅ……」

次の瞬間、ゼウスドライバーとマイナスエネルギーはノゾミとネクサスが封印したコアメダルに宿る邪悪な意思・・・ゼウスとなって実体化し、セッテから分離する。

「フッ!!」ガッ!!

「うっ!?」

セッテから分離し、復活を果たした後、ゼウスはセッテを捕まえ、ドラゴンズデュアルセイバーを突きつける。

「「セッテ!!」」

「フフフ……あの人工キメラには感謝しないとな……奴がこいつに真実を語り、揺さぶりをかけてくれたお陰で俺の復活を早めることができた……」

「?どういうこと?」

不敵な笑みを浮かべながらそう言うゼウスに対し、ノゾミは首を傾げながらそう尋ねる。

「フフフ……俺は貴様の『光の力』で封印される直前、こいつの記憶を奪っておいたのさ。記憶を失ったことでこいつの中に芽生える自分に対する疑心暗鬼や恐怖心から生まれるマイナスエネルギーを吸収し、復活するための“力”を蓄えるためにな……」

「「!?」」

「まったく、こいつから奪った記憶の一部を夢という形で視させてやったりと苦労したぞ。こいつの疑心暗鬼や恐怖心を煽り、マイナスエネルギーを生み出させるのは……おまけにノゾミ・ナカムラ。貴様が記憶を無くしたこいつの心の支えになったことで余計にマイナスエネルギーを生み出させにくくなった……正直、復活するのはもうしばらく先だと思ったよ……」

自身が明かした、セッテの記憶喪失に隠された真実を聞いて、ノゾミとトーレが驚愕の表情を浮かべるなか、ゼウスはため息混じりにそう言った。
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