『Sweet』付近、路地裏・・・

「はぁ……はぁ……」ﾊﾞﾁｯ!!…ﾊﾞﾁｯ!!…

商店街から逃げ出した後、セッテは息を切らしながら、『Sweet』付近の路地裏に到達する。

「はぁ……はぁ……私は……一体……」

(恐れろ・・・)

「！？」

その時、セッテの頭の中に影法師ではない何者かの“声”が響き渡る。

(恐れろ・・・己の過去に・・・己の正体に！！)

「う、うるさい……」

(その恐怖心が俺を復活させる“力”になる！！)

「うるさいうるさいうるさい！！」ﾊﾞﾁﾊﾞﾁｯ!!

頭の中に響き渡る“声”にセッテがそう言うなか、

「「セッテ！！」」

燐から話を聞いたトーレとマミゾウから話を聞いたノゾミがそう言いながら駆けつける。

「！？あなたは……」

「セッテ！！大丈夫か！？」

自分を見ながら、思わず固まるセッテに対し、トーレはそう言いながら駆け寄る。

「ッ！！」

ジャキィィィンッ！！

「「！？」」

が、セッテは咄嗟にブーメランブレードを取り出し、トーレに突きつける。

「せ、セッテ。一体何の」

「あなたの顔……見たことがある……あの夢で……」

自分にブーメランブレードを突きつけられていることに困惑しながらそう言うトーレの言葉の最中、セッテはノゾミと初めて会った日の夜、視た夢のことを思い起こしながらそう言う。

「あなたは知っているんでしょ！？私がどんな存在なのかを！！教えて！！私は一体どんな存在なの！？」

「！？おまえ、まさか、記憶が」

「質問に答えて！！私は……あの人工キメラの言う通り、犯罪者に戦うために造られた存在なの！！？」

「ッ……」

今のセッテは記憶を無くしていることに気付いたトーレに対し、セッテは声を荒げながらそう尋ねる。

「……そうだ……おまえは戦うためにドクターに造り出された……私と同じ戦闘機人だ……」

対するトーレは苦い表情をしながらそう答える。

「・・・あ・・・あぁ・・・あぁアァぁアアあぁアあぁァァあぁあアァあぁァああアァあぁァあぁアァぁアアあぁアあぁァァあぁアあぁアァっ！！！」

バリイイイィィィーーーンッ！！

「「！？」」

そんなトーレの答えを聞いた瞬間、セッテは涙を流しながらそう叫び、そんなセッテの身体からまたしても膨大な黒い雷が溢れ出た。