遭遇
商店街、蜂蜜屋、『ツーロック』前・・・
「ごめんくださーい!!」
ギルドでデネブにおつかいを頼まれ、蜂蜜を買いにきたセッテは少々、大きい声でそう言う。
「ん?客かの……っとセッテじゃったか。」
「こんにちは。マミゾウさん。」
すると、奥の方からそう言いながら現れた、夜見達の世界でノゾミ達が知り合った、今は蜂蜜屋、『ツーロック』の店主でもある狸の妖怪である女性、二ツ岩マミゾウに対し、セッテは笑顔でそう挨拶する。
「今日はギルドからのおつかいで来たのかの?」
「はい。蜂蜜を五リットル、ください。」
「うむ。少しだけ待っておれ。」
「セッテお姉ちゃん!!こんにちはぁー!!」
マミゾウがそう言いながら奥へ引っ込んだ後、近くに住んでいる、すっかり顔馴染みになった五、六歳くらいの男の子がそう挨拶しながら、セッテの後ろを走って通り過ぎていく。
「はい。こんにちは。転ばないよう、気をつけてねぇ~」
「はぁい♪」
「ほれ。蜂蜜五リットル、お代は3000Gじゃ。」
そんな男の子に対し、セッテが笑顔でそう言うなか、五リットルの蜂蜜が入った瓶を持ったマミゾウはそう言いながら戻ってくる。
「わかりました……はい。」
「うむ。3000Gピッタリじゃな。毎度……すっかり馴染んでるようじゃが、記憶の方はまだ戻ってはないのかの?」
「はい。名前以外の記憶は相変わらずさっぱりで……ですが、この国の人達が優しくしてくれるので充実はしています。」
3000Gを受け取った後、そう尋ねてくるマミゾウに対し、セッテは苦笑いしながらもそう答える。
「ほっほっほっ♪それはなによりじゃな……ほれ。これはおまけじゃ……」
対するマミゾウは笑顔でそう言いながら、小さな紙袋を手渡す。
「?マミゾウさん。これは?」
「儂の自家製の蜂蜜で作ったクッキーじゃ。」
「良いんですか?」
「実はの。それは今日、初めて作った試作品での。後で味の感想等を教えてくれると助かるのじゃ。」
「なるほど………」
「クアアアーーーッ!!」
「「!?」」
二人がそう話をしているなか、燐が放ったカプセルキメラ、サイズグリフィンが現れる。
「クアアアーーーッ!!」ガシッ!!
「あっ……!?」
サイズグリフィンは偶々、近くで遊んでいた男の子を鷲の足で捕まえ、そのまま飛び去っていこうとする。
「なっ!?人工キメラか」
「マミゾウさん。ちょっとこれらをお願いします。」
「?セッテ?」
サイズグリフィンから男の子を助けだそうとするマミゾウに対し、セッテはそう言いながら蜂蜜とクッキーを預ける。
その時のセッテの眼はナンバーズ時代のものに変わり、その手にはいつの間にか、自身の固有武装であるブーメランブレードが握られていた。
「フッ!!」ブンッ!!
「!?」
次の瞬間、セッテはブーメランブレードをサイズグリフィンに向けて、投げつける。
「くっ!!」
が、サイズグリフィンはセッテのブーメランブレードをなんとかかわす。
「IS:スローターアームズ。」
「!?」
が、セッテは無意識で発動した自身のIS:スローターアームズでブーメランブレードを操作して、
ズバァァァンッ!!
サイズグリフィンの翼を斬り裂く。
「ぐわあああぁぁぁっ!?」
「あ……っ!?」
翼を斬り裂かれたサイズグリフィンは男の子を手放しながら落下していく。
「ッ!!」ダッ!!
セッテは男の子を助けようと男の子が落下する地点に向かって駆け出す。
(間に合え!!)
「トランザム!!」
ドンッ!!ガシッ!!ドサァッ!!
次の瞬間、セッテは無意識のうちにトランザムを使い、男の子が地面に落下する前に救いだすことに成功した。
「はぁ……はぁ……」
「セッテお姉ちゃん……」
「ぐっ……貴様……」
自分を助けたセッテに男の子がそう言うなか、翼を斬り裂かれたサイズグリフィンはそう言いながら立ち上がる。
「くっ……」
そんなサイズグリフィンに対し、セッテは助けた男の子を下ろし、背中に隠しながら、ブーメランブレードを構えながら対峙する。
「セッテお姉ちゃん……」
「大丈夫。ここは私がなんとかするから、早くギルドに……」
「でも……」
「いいから早く!!」
「ッ……」
セッテにそう言われた男の子はすぐさまギルド、『希望の翼』に向かって、駆け出す。
「何故だ?何故、邪魔をする?セッテ……」
「!?あなた……私のことを知ってるの!?」
男の子が駆けていった後、首を傾げながらそう尋ねるサイズグリフィンに対し、セッテは驚愕の表情を浮かべながらそう聞き返す。
「?何を言っている?我らは『Xマジンラー』に所属する仲間ではないか。」
「!?仲間?……ふざけないで!!私はあなたみたいな人工キメラの仲間になった覚えはない!!」
対するサイズグリフィンの言葉に対し、セッテは若干激昂しながらそう言う。
「……まさか、貴様……記憶がないのか?」
「ッ……」
「図星か。くくく……なるほど……記憶がないのなら、今の今まで貴様からの連絡がなかったのも頷ける……」
今のセッテが記憶喪失になっていることに気付いたサイズグリフィンは不敵な笑みを浮かべながらそう言う。
「くくく……記憶がないのなら教えてやろう……貴様がどういった存在なのかを……」
次の瞬間、サイズグリフィンはそう言いながら、記憶を失くしたセッテの真実を語り始めた。
「ごめんくださーい!!」
ギルドでデネブにおつかいを頼まれ、蜂蜜を買いにきたセッテは少々、大きい声でそう言う。
「ん?客かの……っとセッテじゃったか。」
「こんにちは。マミゾウさん。」
すると、奥の方からそう言いながら現れた、夜見達の世界でノゾミ達が知り合った、今は蜂蜜屋、『ツーロック』の店主でもある狸の妖怪である女性、二ツ岩マミゾウに対し、セッテは笑顔でそう挨拶する。
「今日はギルドからのおつかいで来たのかの?」
「はい。蜂蜜を五リットル、ください。」
「うむ。少しだけ待っておれ。」
「セッテお姉ちゃん!!こんにちはぁー!!」
マミゾウがそう言いながら奥へ引っ込んだ後、近くに住んでいる、すっかり顔馴染みになった五、六歳くらいの男の子がそう挨拶しながら、セッテの後ろを走って通り過ぎていく。
「はい。こんにちは。転ばないよう、気をつけてねぇ~」
「はぁい♪」
「ほれ。蜂蜜五リットル、お代は3000Gじゃ。」
そんな男の子に対し、セッテが笑顔でそう言うなか、五リットルの蜂蜜が入った瓶を持ったマミゾウはそう言いながら戻ってくる。
「わかりました……はい。」
「うむ。3000Gピッタリじゃな。毎度……すっかり馴染んでるようじゃが、記憶の方はまだ戻ってはないのかの?」
「はい。名前以外の記憶は相変わらずさっぱりで……ですが、この国の人達が優しくしてくれるので充実はしています。」
3000Gを受け取った後、そう尋ねてくるマミゾウに対し、セッテは苦笑いしながらもそう答える。
「ほっほっほっ♪それはなによりじゃな……ほれ。これはおまけじゃ……」
対するマミゾウは笑顔でそう言いながら、小さな紙袋を手渡す。
「?マミゾウさん。これは?」
「儂の自家製の蜂蜜で作ったクッキーじゃ。」
「良いんですか?」
「実はの。それは今日、初めて作った試作品での。後で味の感想等を教えてくれると助かるのじゃ。」
「なるほど………」
「クアアアーーーッ!!」
「「!?」」
二人がそう話をしているなか、燐が放ったカプセルキメラ、サイズグリフィンが現れる。
「クアアアーーーッ!!」ガシッ!!
「あっ……!?」
サイズグリフィンは偶々、近くで遊んでいた男の子を鷲の足で捕まえ、そのまま飛び去っていこうとする。
「なっ!?人工キメラか」
「マミゾウさん。ちょっとこれらをお願いします。」
「?セッテ?」
サイズグリフィンから男の子を助けだそうとするマミゾウに対し、セッテはそう言いながら蜂蜜とクッキーを預ける。
その時のセッテの眼はナンバーズ時代のものに変わり、その手にはいつの間にか、自身の固有武装であるブーメランブレードが握られていた。
「フッ!!」ブンッ!!
「!?」
次の瞬間、セッテはブーメランブレードをサイズグリフィンに向けて、投げつける。
「くっ!!」
が、サイズグリフィンはセッテのブーメランブレードをなんとかかわす。
「IS:スローターアームズ。」
「!?」
が、セッテは無意識で発動した自身のIS:スローターアームズでブーメランブレードを操作して、
ズバァァァンッ!!
サイズグリフィンの翼を斬り裂く。
「ぐわあああぁぁぁっ!?」
「あ……っ!?」
翼を斬り裂かれたサイズグリフィンは男の子を手放しながら落下していく。
「ッ!!」ダッ!!
セッテは男の子を助けようと男の子が落下する地点に向かって駆け出す。
(間に合え!!)
「トランザム!!」
ドンッ!!ガシッ!!ドサァッ!!
次の瞬間、セッテは無意識のうちにトランザムを使い、男の子が地面に落下する前に救いだすことに成功した。
「はぁ……はぁ……」
「セッテお姉ちゃん……」
「ぐっ……貴様……」
自分を助けたセッテに男の子がそう言うなか、翼を斬り裂かれたサイズグリフィンはそう言いながら立ち上がる。
「くっ……」
そんなサイズグリフィンに対し、セッテは助けた男の子を下ろし、背中に隠しながら、ブーメランブレードを構えながら対峙する。
「セッテお姉ちゃん……」
「大丈夫。ここは私がなんとかするから、早くギルドに……」
「でも……」
「いいから早く!!」
「ッ……」
セッテにそう言われた男の子はすぐさまギルド、『希望の翼』に向かって、駆け出す。
「何故だ?何故、邪魔をする?セッテ……」
「!?あなた……私のことを知ってるの!?」
男の子が駆けていった後、首を傾げながらそう尋ねるサイズグリフィンに対し、セッテは驚愕の表情を浮かべながらそう聞き返す。
「?何を言っている?我らは『Xマジンラー』に所属する仲間ではないか。」
「!?仲間?……ふざけないで!!私はあなたみたいな人工キメラの仲間になった覚えはない!!」
対するサイズグリフィンの言葉に対し、セッテは若干激昂しながらそう言う。
「……まさか、貴様……記憶がないのか?」
「ッ……」
「図星か。くくく……なるほど……記憶がないのなら、今の今まで貴様からの連絡がなかったのも頷ける……」
今のセッテが記憶喪失になっていることに気付いたサイズグリフィンは不敵な笑みを浮かべながらそう言う。
「くくく……記憶がないのなら教えてやろう……貴様がどういった存在なのかを……」
次の瞬間、サイズグリフィンはそう言いながら、記憶を失くしたセッテの真実を語り始めた。