『アトラン王国』、街中・・・

「ここが『アトラン王国』か………」

その頃、『Ｘマジンラー』から燐と零斗と共にセッテを捜しにきたトーレはそう言いながら、街中を見渡す。

「なぁ。早く新作スィーツを食べに行きたいんだけど………」

「燐。私達はスィーツを食べにきたんじゃないぞ！！」

面倒臭そうにしながらそう言う燐に対し、トーレは青筋を浮かべながらそう言う。

「あぁ～、はいはい。わかってますよぉ～」

対する燐はそう言いながら路地裏に入り、トーレと零斗も後に続いて、路地裏に入る。

「………」ｽｯ

路地裏に入った後、燐は懐から黒いケースを取り出す。

ケースの中にはそれぞれ色の違うカプセルが五個、入っていた。

「今回はこいつかな………」ｽｯ

五個の中から燐はそう言いながら、オレンジのカプセルを手に取る。

シュッ！！

手に取ったカプセルを燐は近くの地面に適当に放り投げる。

パァァァ・・・パキィィィンッ！！

カプセルが地面に触れた瞬間、そこを起点に魔法陣が展開され、その魔法陣から頭と足が鷲、両腕が蟷螂、胴体と翼がドラゴンの人工キメラ、燐が持ち歩く五体のカプセルキメラの一体、サイズグリフィンが召喚される。

「んじゃあ、街で適当に暴れながら、セッテを捜してぇ～」

「御意。」ﾊﾞｻｧ

適当な感じでそう言う燐にそう返事しながら、サイズグリフィンは翼を羽ばたかせて、飛び去っていく。

「あんな人工キメラに本当にセッテを見つけ出すことができるのか？」

そんなサイズグリフィンを見届けた後、トーレはそう言いながら燐の方を向く。

が、その当の燐はいつの間にか何処かに消えていた。

「っていない！？あいつ、何処に行った！？」

「あぁ、あいつは例の新作スィーツを食べに行ったぞ。」

「あ、あいつはぁ～～～！！」

零斗からそう聞かされたトーレはワナワナと怒りに震えながら、拳を握りながらそう言う。

「………」

そんなトーレを余所に零斗は何処かへと歩き去ろうとする。

「待て。零斗。何処へ行く？」

「言った筈だ。俺のターゲットは『ミッドチルダ』の英雄、高町なのはとフェイト・テスタロッサ・アーチャーだと。おまえの妹捜しなんか最初（はな）から興味もない。」

「！？なんだと！！貴様！！」ｶﾞｯ!!

しれっとした態度でそう言う零斗に対し、トーレはそう言いながら、胸ぐらを掴みながら突っかかる。

「……放せよ……」ｿﾞﾜｯ!!

「！？」ｿﾞｸｯ!!

が、零斗が睨み付けながら、そう言いながら放ってきた殺気と重圧に思わず放してしまう。

「ふん……」

トーレが放した後、零斗はそう言いながら歩き去っていく。

「……くそっ！！どいつもこいつも！！」

その場に一人、取り残されたトーレは憤慨しながらそう言った。