最強の巫女と普通の魔法使い

「ーーーっていう訳なんです。」

「なるほどねぇ………」

その後、阿号に関する説明を阿号本人とにとりから聞いた後、霊夢はそう言う。

「要するにまた紫がやらかしたのね……はぁ……」

「はい。で、霊夢さん。阿号は『外の世界』に帰れますか?」

ため息混じりにそう言う霊夢に対し、にとりはそう尋ねる。

「あぁ~……結論から言わせてもらうと、阿号を『外の世界』に帰すことはできないわよ。」

「え?なんでなんですか?」

「だってこいつ、『外の世界』じゃもう死んだ存在なんでしょ?そんな奴を帰せる訳ないじゃない。」

「やはりか……」

「え?阿号は気付いてたの?」

「まぁ、昨日の八雲紫の口振りからなんとなくな。」

「“力”になれなくてごめんなさい。」

「別におまえが謝ることじゃない。それに……」

「「?」」

霊夢との話の最中、阿号は両腕を胸の前でクロスさせる。

「……今、この『幻想卿』に来て良かったと思ったところだ……」

「「!?」」

ドンッ!!

次の瞬間、阿号はそう言いながら、両腕から先にクナイが付いた鎖を出現させ、左右の茂みに向けて、放つ。

グサッ×2!!

「「グオオオォォォーーーッ!?」」

「「!?」」

すると茂みの中から二体の黒い悪魔のような怪人、魔獣ホラーが阿号の鎖に貫かれた状態で姿を現す。

「な、なに!?こいつら!!」

「これは……」

「………」ズシュッ!!

突然、現れたホラーににとりが困惑し、霊夢がそう言うなか、阿号は両腕の鎖で貫いた状態で二体のホラーを持ち上げ、勢いよく鎖を引き抜く。

「「グオオオォォォーーーッ!?」」

ドッカァァァンッ!!

次の瞬間、二体のホラーは断末魔の叫びを上げながら落下し、爆発して消滅する。

「まさか、ホラーがこの『幻想卿』に来ているとはな……」

二体のホラーを倒した後、阿号は両腕の鎖を仕舞いながら、そう言いながら後ろを向く。

「「「「「「「グオオオォォォーーーッ!!」」」」」」」

「「!?」」

すると、後ろの茂みの方から七体のホラーが飛び出してくる。

「こいつら、まだいたの!?」

「ッ!!」バッ!!

新たに現れた七体のホラーににとりが慌てながらそう言い、霊夢は札を取り出し、構える。

「にとり。霊夢。手を出さなくて良い……私がやる……」

パキィィィンッ!!

そんな二人に対し、阿号はそう言いながら戦闘モードに変わる。

「「「「「「「グオオオォォォーーーッ!!」」」」」」」

その間も七体のホラーは迫ってくる。

「………」スッ

そんなホラー達に対し、阿号は先程と同じように腕をクロスさせて構える。

「……ハッ!!」バッ!!

「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」

ズドドドドッ!!

次の瞬間、阿号はクロスさせた両腕を振り抜き、身体から半円状の刃を四枚、放つ。

ズガガガガァンッ!!

「「「「グオオオォォォーーーッ!?」」」」

ドッカァァァンッ!!

次の瞬間、四体のホラーに刃が命中し、断末魔の叫びを上げながら爆発し、消滅した。
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