翌日、にとりの家、一階・・・

「ん。朝か……」

翌日の朝、家の一階で眠っていた阿号はそう言いながら目を覚ます。

「ん？」

と同時に阿号は自分に掛けられてあった毛布に気付く。

「これは……」

「ふわぁ～あ……あ。おはよう。阿号……」

自分に掛けられてあった毛布を見ながら、阿号が首を傾げるなか、二階からにとりが欠伸しながら、そう言いながら下りてくる。

「にとり……この毛布はおまえが？」

「うん。あのまま放っといたら風邪引いちゃうからね。」

「そうか……」

(私は別に風邪は引かないんだがな……)

グゥゥゥ・・・

「「………」」

阿号がそう思っているなか、突然、にとりのお腹が鳴る。

「……そういえば、昨日から何も食べてなかった……すぐご飯作るからちょっと待ってて。」

「手伝うか？」

「良いよ。別に。簡単なものだし。そこのテーブルに着いて待ってて。」

昨日、阿号の修理に使った作業台を指差しながらそう言った後、にとりはエプロンを着けて、キッチンの方に消えていく。

「………」

そんなにとりの後ろ姿を見届けた後、阿号はとりあえず作業台の近くにある椅子に腰掛けて待つことにした。

五分後・・・

「とりあえずあるもので作ったからごめんね。」

「………」

にとりが苦笑いしながら、そう言いながら阿号の前に置いたお盆には白米、キュウリのみサラダ、水が乗っていた。

因みににとりも同じメニューだが昨日、何も食べてなかったからか、白米とキュウリが若干大盛りになっていた。

(やはり河童だからであろうか……)

「………」

「あ。やっぱり気に入らなかった？」

メニューについて、そう思いながら無言で見つめる阿号に対し、にとりは申し訳なさそうにそう尋ねる。

「いや。私は元より食事は必要としないから問題ない。」

「そうなんだ。」

「が、せっかく用意してくれたからな。ありがたくいただこう。」

「召し上がれ♪」

そうして阿号とにとりは朝食を食べ始めた。