辿り着いた一つの答え

「!?妖術、“水鏡”!!」

パァァァ

そんななか、夜見は影アリスに駆け寄り、影アリスに背を向ける形で“水鏡”を展開する。

ズガァァァンッ!!

「「「!?」」」

すると次の瞬間、何処からか、強力な炎弾が放たれる。

が、夜見が展開した“水鏡”がその攻撃を防ぐ。

「不意を突いたつもりでしたが……なかなか良い勘をしてますね……」

次の瞬間、炎弾が放たれた方から今まで傍観に徹していた、影アリスに『結界装置』や怪人達を提供して、協力していた『Xマジンラー』の幹部兼エージェント、加頭がポーカーフェイスのまま、そう言いながら現れる。

「……誰だ?おまえは……」

「はじめまして。私はそちらの『影の国』のアリスさんに協力している『Xマジンラー』の幹部兼エージェントの加頭と申します。以後、お見知りおきを……」

怪訝な表情で睨みつけながら、そう尋ねてくる夜見に対し、加頭は頭を下げながらそう自己紹介する。

「『Xマジンラー』……それがここに来る途中、一輪さんが言っていた組織の名前ですか……」

「……おまえ、今、アリスに協力していると言ったな……なら、何故、その協力しているアリスに攻撃した?今の攻撃は明らかにアリスを狙ったものだろう?」

加頭が言った『Xマジンラー』という単語にフランが真剣な表情でそう言うなか、夜見は睨みつけながら、そう加頭に尋ねる。

「……そこまで気付かれてましたか……なに……あなたの言葉に揺らいでいた、使い物にならなくなりそうな『人形』を処分しようとしただけですよ……」

「……なに……?」

「人形……ということは影アリスさんはあなた達が企てている何らかの『計画』に利用されていただけで、今回の騒動の本当の首謀者はあなた達、『Xマジンラー』ということですか……」

対する加頭からの答えを聞いて、夜見が睨みつけながらそう言うなか、フランも睨みつけながらそう言う。

「えぇ。まぁ、その『計画』もあなた達や彼女達の介入によって、頓挫しつつありますがね。」

「……一輪が怪人達から聞いた『計画』って何だ?おまえ達は何を企んでいる?」

「……良いでしょう。どのみち、頓挫してしまった『計画』を隠しても仕方ありませんからね……お教えしましょう……」

睨みつけながらそう尋ねる夜見に対し、加頭は影アリスの『『ジャック』による『妖怪の国』の支配』の裏に隠された、『Xマジンラー』の『計画』についての説明を始める。

「我々、『Xマジンラー』の計画、それは今回、捕らえた人間達と『影の国』のアリス・マーガトロイドさんに洗脳させた妖怪達の中から選別した強力なサイキック持ちの人間と強力な妖怪を融合させて、強大な人工キメラ……あなた達で言う『半妖』の上位固体ともいえる存在を生み出すことですよ……」

「「「!?」」」

「ちょっと待って!!加頭!!そんな計画、私は聞いてないわよ!!」

加頭からの『計画』に関する説明を聞いて、夜見、フラン、一輪の三人がそう驚愕の表情を浮かべるなか、影アリスはそう言う。

「えぇ。あなたにも話していませんからね。あなたに提供した『結界装置』のことも含めてね。」

「!?」

「フフフ……実はあの『結界装置』にはあなたの『ジャック』を強化させる以外にもう一つの機能がありましてね。結界内にいる、あなたの『ジャック』の支配下にいる妖怪達から妖力を吸収して、我々が『霊烏路空』のデータをベースにして造った魔導人形に送信する機能があるんですよ……頃合いを見計らって、あなたが『ジャック』で支配した妖怪達を弱体化させて、回収するためにね……」

「ここに来る途中、感じた妖力を吸い取られるような感覚はその『結界装置』によるものだったんですね。」

「それに私達の前に現れた空さんが人形だったなんて……」

影アリスも知らされていなかった、『結界装置』のもう一つの機能と本殿まで来る途中、自分達を襲撃してきた空の“正体”について、そう言う加頭の説明を聞いて、一輪とフランはそう言う。
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