影アリスの正体

バリィィィンッ!!

「「「「「!?」」」」」

「っと……」

スタッ!!

そんななか、“空間”内での霊夢の暴走の隙を突いて、空が“空間”内から脱出してくる。

「ふぅー……うまく出られた……」

「お、おまえ、霊夢の“空間”から脱出したのか!?」

「まぁね。向こうの片割れが勝手に暴走してくれたおかげでギリギリ脱出することができたよ。」

ドカァァァンッ!!

「うわぁぁぁっ!?」

「キャッ!?」

「「「「「!?」」」」」

ドサッ×2!!

自身が“空間”内から脱出してきたことにそう困惑の声を上げるシュガーに空が笑顔でそう言うなか、霊夢の“空間”が内側から爆発し、中からぼろぼろになった魔理沙と霊夢が飛び出してくる。

「魔理沙!!霊夢!!」

「一体何があったの!?」

「くっ……“空間”内での戦いの最中、霊夢が暴走しちまって……」

「うっ……」

“空間”から飛び出した後、そう言いながら、自身に駆け寄ってくるシュガーとレミリアに対し、魔理沙はそう説明する。

「さて、さっきまで受けた借り、全部、返させてもらうよ!!」

そんななか、空はそう言いながら、右手の砲台をノゾミ達に向けて、構える。

ズドォォォンッ!!

ズガァァァンッ!!

「「「「「「「!?」」」」」」」

「ぐわぁぁぁっ!?」

が、次の瞬間、何処からか、一発の弾幕が放たれ、空に命中する。

「ふぅー……西の方の『結界装置』を破壊した後、こっちに来て正解だったね……」

「「「「「!?にとり!?」」」」」

次の瞬間、西にある最後の『結界装置』を妖夢と協力して、破壊してきたにとりがそう言いながら、その場に現れる。

「あ。どうも。この世界の寅丸さんとナズーリンさん。別世界から来た霊夢さんに魔理沙さん、レミリアさんに……白黒のフランさん?」

「「「「「「?」」」」」」

「にとり。『結界装置』は壊したの?」

自分達に対して、そう挨拶するにとりの言葉に寅丸、ナズーリン、霊夢、魔理沙、レミリア、シュガーの六人が首を傾げるなか、ノゾミはそう尋ねる。

「まぁね。阿号と手分けして、更には別世界から来た妖夢さんの協力もあって、無事に全部、破壊できたよ。まぁ、妖夢さんはその直後、疲労からか倒れちゃって、今はサイライナーで休ませてるけど……」

「くっ……よくもやってくれたな!!」

対するにとりがそう答えるなか、空はそう言いながら立ち上がり、右手の砲台をにとりに向けて、構える。

が、その砲台から弾幕は出てこなかった。

「!?」

「あぁ、さっき、ノゾミにも言ったけど、君に妖力を送っていた『結界装置』はもう全部、破壊したよ………………『Xマジンラー』製のお人形さん?」

自身の砲台から弾幕が出なかったことに思わず驚愕の表情を浮かべる空に対し、にとりは不敵な笑みを浮かべながらそう言う。

「!?貴様……何故、組織の名前を知っている!?」

「……私の名前は『河城にとり』……一応『Xマジンラー』の所属なら、名前くらい聞いていると思うんだけどなぁ……」

「河城にとり……ッ!?まさか、貴様はあの裏切り者の人型魔導具の」

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァンッ!!

「ぐわあああぁぁぁっ!?」

空の言葉の最中、にとりは二十弾の弾幕を放ち、命中させる。

「あんまし阿号のこと、『裏切り者』だとか呼んでほしくないなぁ……阿号自身、洗脳される形で無理やり仲間にされてたようなものだし……いくら姿が空さんに似せて、造られたとはいえ……バラしたくなっちゃうよ……」

二十弾の弾幕を命中させて、ダメージを与えた後、にとりは(黒い)笑顔でそう言う。

「え?誰?この子、本当ににとりなの?」

「なんていうか……私達が知っている河童より頼りになるというか……怖いというか……」

「あ。詳しい説明は後でしますが、あのにとりは私と同じ世界から来たにとりですよ。」

「くっ……こうなったら!!」

『ケツァルコアトルス!!』

パキィィィンッ!!

そんなにとりを見て、困惑しながらそう言うレミリアとシュガーに対し、ノゾミがそう簡単に説明しているなか、空はそう言いながら、ケツァルコアトルスメモリを取り出し、ケツァルコアトルスドーパントに変身した。
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