影アリスの正体
本殿・・・
「さぁ、何処からでもかかってきなさい。あなた達相手に時間を割いていられる程、暇じゃないの。」
「フランさん。聖を足止めするのを手伝ってくれませんか?夜見さんは聖と戦うことに対し、表情に出さずとも動揺しています。私個人としても彼女を聖とは戦わせたくありません。しかし、私一人では聖を足止めすることができません。二人係りでも難しいかもしれませんが……お願いします………」
「一輪さんの気持ちは私も同じです。聖さんがどれ程、強いのかはまだわかりませんが……やってみましょう………」
「……私がおまえに勝ったら……全部、元に戻してもらうぞ……」
「えぇ、良いわよ。どうやったって私には勝てないでしょうけど………」
(……こいつの気配、なんか変だ……人間なのは確かだけど、微かに妖怪の気配もあるな……いつもなら勘で相手の実力がある程度、わかるけど……底がみえないな……)
「でも、今は……とにかくやるしかない!!妖術、壱の型、“鬼火”!!」
ボォォォッ!!
夜見はそう言いながら、影アリスに向けて、“鬼火”を放ち、命中させる。
「未熟な妖術ね。避けるまでもないわ……あなたの“力”はまだこんなもんじゃないでしょ?…せめて、私をこの場から一歩でも動かしてみせなさい……」
が、そう言う影アリスは全くの無傷だった。
(本当に避けようとしなかった……また変な仕掛けで無効化されているのかも……妖力にはまだ余裕があるし……試してみるか……)
「……妖術、壱の型、“雹花”。」
「!?」
ズドドドドドッ!!
夜見はそう言いながら、花の花弁のような雹を影アリスに向けて、放つ。
「ッ!?これは……氷の妖術!?」
対する影アリスはそう困惑の声を上げながら、その場から後ろへバックステップで跳ぶことでかわす。
「どうやら受けても大丈夫な妖術とそうでない妖術があるみたいだな。」
「ふ、ふん。情報にない妖術だったから、少し驚いただけよ。壱の型しか使えないあなたの妖術なんて、受けてもかわしても同じこと。」
ドカカカカカカカカカカカカカカカッ!!
真剣な表情でそう言う夜見に影アリスがそう言うなか、フランと聖は肉弾戦でほぼ互角に渡り合う。
(これが聖さんのサイキック、『肉体強化』。筋力・持久力を一時的に上昇させる能力だそうですが……)
ガシッ!!
「!?」
「………」
聖は一瞬の隙を突き、フランの首を掴み、絞め始める。
「あっ……うっ……」
(首が……締まって……息……)
「聖!!フランさんを放してください!!妖術、壱の型」
「………」ブンッ!!
「な」
ドカァァァンッ!!
一輪はそう言いながら、聖に向けて、妖術を放とうとする。
が、それよりも早く聖はフランを一輪に向けて、投げ飛ばす。
「ゲホッ!!ゲホゲホッ!!」
「大丈夫ですか?」
「はい……パワーだけでなく、瞬発力も上がるのを忘れてました……一輪さんも大丈夫ですか?凄い勢いで投げ飛ばされたんですが……」
「雲山をクッションにしたので大丈夫ですよ。しかし、流石は聖です。一撃一撃が鬼の拳に匹敵する破壊力に隙のない立ち回り。“水鏡”は一点に集中する打撃には弱いので、接近戦とは相性が悪いです……」
「サイキックの効果は一定時間で切れるそうですが……それまで聖さんを足止めするのは容易ではありませんね……」
「フラン!!一輪!!大丈夫か!?」
「他人の心配よりも自分の心配をしなさい。あなたの相手は私でしょう?妖術、弐の型、“豪風”。」
ブオオオォォォッ!!
影アリスはそう言いながら、“豪風”を夜見に向けて、放つ。
「え!?なんでおまえが妖術を!?」
「話すまでもないわ。そのまま細切れにしてあげる!!」
「妖術、“水鏡”!!」
パァァァ
影アリスが放ってきた“豪風”を夜見は“水鏡”で防ぐ。
(この妖術、幻覚なんかじゃない。でも、サイキックと妖術を同時に使える奴なんて……ッ!?)
ーーー半妖とは普通の妖怪と同じように妖術を使い、人間と同じ特徴を持つ者のことを言います。中にはごく稀にですが、この世界の人間が使う“力”・・・サイキックも扱うことができる者もいるそうですーーー
この時、夜見は以前、聖から聞いた話を思い出す。
「そうか……おまえも私と同じ『半妖』か。姿が『影の国』の住人と同じだから、妖怪の気配がするのはもしかしたら、私の気のせいかと思っていたが……」
「……私は妖怪と『影の国』の住人の間に産まれたのよ。容姿が『影の国』の住人と同じなのはそのせいね……親は私が産まれて間もなく亡くなったわ。『忌み子』として殺そうとした国の連中から私を庇ってね……私はこの世界が嫌い……存在するだけで全てを否定するこの世界が……だから、私が塗り替えなきゃならないのよ!!『ジャック』の“力”でこの国も、世界も、『理』も!!全部全部全部全部……ッ!!私の創造の邪魔は誰にもさせない!!それが例え、同じ半妖であるあなただとしても!!!」
「………」
「さぁ、何処からでもかかってきなさい。あなた達相手に時間を割いていられる程、暇じゃないの。」
「フランさん。聖を足止めするのを手伝ってくれませんか?夜見さんは聖と戦うことに対し、表情に出さずとも動揺しています。私個人としても彼女を聖とは戦わせたくありません。しかし、私一人では聖を足止めすることができません。二人係りでも難しいかもしれませんが……お願いします………」
「一輪さんの気持ちは私も同じです。聖さんがどれ程、強いのかはまだわかりませんが……やってみましょう………」
「……私がおまえに勝ったら……全部、元に戻してもらうぞ……」
「えぇ、良いわよ。どうやったって私には勝てないでしょうけど………」
(……こいつの気配、なんか変だ……人間なのは確かだけど、微かに妖怪の気配もあるな……いつもなら勘で相手の実力がある程度、わかるけど……底がみえないな……)
「でも、今は……とにかくやるしかない!!妖術、壱の型、“鬼火”!!」
ボォォォッ!!
夜見はそう言いながら、影アリスに向けて、“鬼火”を放ち、命中させる。
「未熟な妖術ね。避けるまでもないわ……あなたの“力”はまだこんなもんじゃないでしょ?…せめて、私をこの場から一歩でも動かしてみせなさい……」
が、そう言う影アリスは全くの無傷だった。
(本当に避けようとしなかった……また変な仕掛けで無効化されているのかも……妖力にはまだ余裕があるし……試してみるか……)
「……妖術、壱の型、“雹花”。」
「!?」
ズドドドドドッ!!
夜見はそう言いながら、花の花弁のような雹を影アリスに向けて、放つ。
「ッ!?これは……氷の妖術!?」
対する影アリスはそう困惑の声を上げながら、その場から後ろへバックステップで跳ぶことでかわす。
「どうやら受けても大丈夫な妖術とそうでない妖術があるみたいだな。」
「ふ、ふん。情報にない妖術だったから、少し驚いただけよ。壱の型しか使えないあなたの妖術なんて、受けてもかわしても同じこと。」
ドカカカカカカカカカカカカカカカッ!!
真剣な表情でそう言う夜見に影アリスがそう言うなか、フランと聖は肉弾戦でほぼ互角に渡り合う。
(これが聖さんのサイキック、『肉体強化』。筋力・持久力を一時的に上昇させる能力だそうですが……)
ガシッ!!
「!?」
「………」
聖は一瞬の隙を突き、フランの首を掴み、絞め始める。
「あっ……うっ……」
(首が……締まって……息……)
「聖!!フランさんを放してください!!妖術、壱の型」
「………」ブンッ!!
「な」
ドカァァァンッ!!
一輪はそう言いながら、聖に向けて、妖術を放とうとする。
が、それよりも早く聖はフランを一輪に向けて、投げ飛ばす。
「ゲホッ!!ゲホゲホッ!!」
「大丈夫ですか?」
「はい……パワーだけでなく、瞬発力も上がるのを忘れてました……一輪さんも大丈夫ですか?凄い勢いで投げ飛ばされたんですが……」
「雲山をクッションにしたので大丈夫ですよ。しかし、流石は聖です。一撃一撃が鬼の拳に匹敵する破壊力に隙のない立ち回り。“水鏡”は一点に集中する打撃には弱いので、接近戦とは相性が悪いです……」
「サイキックの効果は一定時間で切れるそうですが……それまで聖さんを足止めするのは容易ではありませんね……」
「フラン!!一輪!!大丈夫か!?」
「他人の心配よりも自分の心配をしなさい。あなたの相手は私でしょう?妖術、弐の型、“豪風”。」
ブオオオォォォッ!!
影アリスはそう言いながら、“豪風”を夜見に向けて、放つ。
「え!?なんでおまえが妖術を!?」
「話すまでもないわ。そのまま細切れにしてあげる!!」
「妖術、“水鏡”!!」
パァァァ
影アリスが放ってきた“豪風”を夜見は“水鏡”で防ぐ。
(この妖術、幻覚なんかじゃない。でも、サイキックと妖術を同時に使える奴なんて……ッ!?)
ーーー半妖とは普通の妖怪と同じように妖術を使い、人間と同じ特徴を持つ者のことを言います。中にはごく稀にですが、この世界の人間が使う“力”・・・サイキックも扱うことができる者もいるそうですーーー
この時、夜見は以前、聖から聞いた話を思い出す。
「そうか……おまえも私と同じ『半妖』か。姿が『影の国』の住人と同じだから、妖怪の気配がするのはもしかしたら、私の気のせいかと思っていたが……」
「……私は妖怪と『影の国』の住人の間に産まれたのよ。容姿が『影の国』の住人と同じなのはそのせいね……親は私が産まれて間もなく亡くなったわ。『忌み子』として殺そうとした国の連中から私を庇ってね……私はこの世界が嫌い……存在するだけで全てを否定するこの世界が……だから、私が塗り替えなきゃならないのよ!!『ジャック』の“力”でこの国も、世界も、『理』も!!全部全部全部全部……ッ!!私の創造の邪魔は誰にもさせない!!それが例え、同じ半妖であるあなただとしても!!!」
「………」