シュガー(フラン)の本心

本殿までの通路、中央付近・・・

「私のこと、呼んだかしら?シュガー。」

「!?」

「もう大丈夫よ。あなたもフランもこの国も……大切なものは皆、護ってみせるわ!!」

「お姉ちゃん……私のこと、助けてくれたの?いつも殴ったり、投げたりしてるのに……それでも私のこと、嫌いにならないでいてくれるの?」

「当然よ。可愛い妹を嫌いになるだなんて、私にはできないわ。だって私達は……『家族』だもの!!」

「レミリア……お姉ちゃん……」

笑顔でそう言うレミリアに対し、シュガーは思わず涙を流しながらそう言う。

「直撃したと思ったのに、避けられちゃったか……それで?おまえはそこの白黒の奴より強いのか?割って入って助けにきたからには、それなりの覚悟はできてるよね?」

そんななか、空が真剣な表情でそうレミリアに尋ねてくる。

「そうね。あの子達よりは弱いけど、あなたよりはすんごく強いわ。」

「アハハハッ!!面白い冗談を言ってくれるな!!是非ともそうであって欲しいね!!爆符、『ペタフレア』」

「『紅魔の霧』!!」

「!?」

サァァァ

レミリアがそう言った瞬間、『紅魔の霧』が辺りを包み込む。

(!?『ペタフレア』が出ない!?『結界装置』は正常に作動しているのに妖力切れだなんて………)

「急に止まってどうしたの?何故、技を出せないか、教えてあげる程、今の私は優しくないわよ……シュガー。よく見ておきなさい。これが本当の『スカーレットシュート』よ。紅符、『スカーレットシュート』!!」

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァンッ!!

「ぐっ!?……う、受け切れない!!……ッ!!妖力の伝達を妨げてるのはこの霧か!!」

「凄い……お姉ちゃんって本当はこんなに強かったのか……」

「フフフ……もっと褒めても良いのよ?シュガー……」

「正直、私達の中で一番弱いと思ってたのに……なんで隠してたのさ?」

「別に隠してた訳じゃないけど……あなた達が私のことを一方的に弱い弱いと言っていただけじゃない。だからといって、あなた達相手に本気出して、ケガでもされたら困るし……」

「霧が妖力の伝達を邪魔してるんなら、吹き飛ばすまでだ!!爆符、『プチフレア』!!」

ドカァァァンッ!!

レミリアとシュガーがそう話をするなか、空はそう言いながら、『プチフレア』で『紅魔の霧』を吹き飛ばす。

「簡単な技なら、霧の中でも使えるのね。霧が吹き飛ばされるのは計算内だったけど、私の“力”でも抑え切れない程の妖力がお空に流れ込んでいるってこと?だとしたら、お空の妖力の供給源である『結界装置』本体を破壊しないとダメね……」

「ふぅ……まさか、私の妖力を抑えるものがあったとは思わなかったよ。でも、所詮は下等妖怪のレベル。種さえわかれば、私の“脅威”にはなり得ないな……さぁ、どうする?またさっきの霧からの連係でくるか?」

「そうね……非力な私じゃ、やはりあなたに勝てそうにないわ……『下等妖怪』の私達がダメなら、あっちにバトンタッチするしかないわね……これで時間稼ぎは十分かしら?二人とも、後はお願いね……」

「?時間稼ぎ?一体何のことだ?」

「座標特定、complete……えぇ。もう十分よ。ありがとう。レミリア……」

「ぜぇ……ぜぇ……よ、漸く追いついたんだぜ……」

レミリアが意味深な表情でそう言った『時間稼ぎ』という単語に空が首を傾げながらそう言うなか、霊夢と魔理沙がその場に駆けつける。

「っていうかもう……満身創痍なんだが……ちょっとくらい、おぶってくれたって良いじゃないか。霊夢。だってほら。おまえ、私の相棒だろ?相棒が困ってるんなら、普通は助け合うんじゃないかなぁ~~~?」

「それとこれとは話は別!!」

「ですよねー。」

「まったく……そこから動かないでよ……『フィールド キャプチャー』、起動。」

「!?」

次の瞬間、霊夢はそう言いながら、魔理沙と空と一緒に自分の“空間”内に入った。
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