意外な助っ人

本殿・・・

「どうやら侵入者は三人程、こちらに来るようですね……私も共に戦いましょうか?」

その頃、夜見、フラン、一輪の三人が自分達の元に確実に向かってきていることを察知した加頭はそう影アリスに尋ねる。

「……必要ないわ。私と新しい『人形』で十分よ……」

「そうですか。では、私は高みの見物といかせてもらいます。」

加頭はそう言いながら、闇の中に消えていく。

「……来るなら来なさい……『柳下夜見』……」

加頭が闇の中に消えていった後、その場に残った影アリスは静かな声でそう呟いた。

本殿の入り口・・・

「この先が本殿になります。聖と『ジャック』の首謀者は恐らくこの先に……」

「『ジャック』にやられていない私でさえ、とてつもなく嫌な気配を感じますが……一輪さんは大丈夫なんですか?」

「えぇ。まぁ、なんとか……」

「やはり、無理せずに休んでいた方が……」

「いえ。寅丸やナズーリンの想いを無駄にしたくはありませんから……聖やこの国を救うまで、私だけ休む訳にはいきません……」

(助けに来たよ……聖………)

一輪とフランがそう話をするなか、夜見はそう聖に対して、想いを馳せる。

(あの時、あの場所で聖に助けられてから、私の世界は変わった……生きる意味がわからなかった私にいつも向き合ってくれて、本当に色々なものを私にくれた……だから、今度は私が聖を助ける!!『人と妖怪が手を取り合う世界』が夢幻だなんて言わせない!!『ジャック』も止めて、もう一度、皆で目指そう!!……そのためなら……私がもう一度、死ぬことになったとしても……)

「………」

「?夜見さん?どうかしましたか?」

一人、そう思いながら、考え込む夜見に対し、フランは首を傾げながら、そう尋ねる。

「え?あ、いや、なんでもない……」

「……絶対に助けましょう。夜見さんの好きなこの国を!!」

「あぁ。漸くここまで来たんだ……行こう!!」

そうして三人は影アリスと聖がいる本殿へと向かう。

(フラン。霊夢。魔理沙。幼夢。レミリア。そして、シュガー……私がここまでこれたのは間違いなく、おまえ達のおかげだ……ありがとう……おまえ達だけは……絶対に無事に元の世界へ帰してみせるから……)

そんななか、夜見は密かにそう思った。
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