意外な助っ人

本殿までの通路、中央付近・・・

「さぁ来い!!侵入者共!!私の炎で焼き払ってやる!!三人まとめてかかって来い!!」

「私が妖術であいつの動きを抑えるから、二人はその隙に接近戦で畳み掛けてくれ!!」

「わかりました!!夜見さん!!」

「ちぇっ。命令しないでよねぇー……」

「集中……イメージを強く持って……妖術、壱の型、“竜水”!!」

「!?」

ザパァァァンッ!!

夜見はそう言いながら、空に向けて、“竜水”を放つ。

「妖術!?なんでこの国の妖怪が侵入者と一緒に」

「今だ!!二人とも!!」

「いきますよ!!シュガー!!」

「言われずとも、やってやるよ!!ぶっ飛べ!!バカ鴉!!」

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァンッ!!

フランとシュガーはそう言いながら、同時に大量の弾幕を至近距離で放ち、命中させる。

「……悪くない連携だけど、まだ痒いくらいだね……なんでこの国の妖怪が侵入者と一緒にいるのか知らないけど、せっかくの多対一なんだ。もう少しキツい一撃が欲しいなぁ……それとも、まだ手加減が必要かい?」

が、空にこれといったダメージを与えることができなかった。

「やはり私の妖術じゃたいしたダメージは与えられないか……その上、フランとシュガーの同時攻撃を受けても無傷となるとヤバいな……」

「弾幕を当ててもダメですか……スペカも試してみますか?」

「いや、それはまだ取っておいてくれ。恐らくだけど、あいつはまだ“力”の半分も出していない気がする。けど、こっちの手の内を全部、把握している様子もない……どうせなら、向こうが油断している、確実に当てられる隙を突いて、使ってほしい……」

「ふんっ!!オラッ!!せいっ!!この……っ!!」

ドカッ!!ドカッ!!ドカッ!!ドカッ!!

夜見とフランがそう話をするなか、シュガーは肉弾戦で空に攻撃を打ち込む。

「どうした?もっと打ち込んでこいよ。威勢が良いのが口だけとかガッカリさせないでくれよ。」スッ

対する空は全くダメージを受けた様子もなく、そう言いながら右手の砲口を夜見とフランに向けて、構える。

「!?夜見!!フラン!!かわせ!!」

「妖術、“水鏡”!!」

パァァァ

夜見は自分とフランの前に“水鏡”を展開する。

「そんな薄っぺらな妖術で防げるか!!うりゃあああぁぁぁーーーっ!!」

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

空はそう言いながら、右手の大砲から大量の弾幕を放ってくる。

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァンッ!!

「くっ……“水鏡”が壊される……!!」

「シュガー!!早く空さんの攻撃を止めてください!!」

「バカ!!だから、かわせって言ったのに……ああもう必殺……」

(そこの白黒の方!!あなたも避けてください!!妖術、参の型、“竜水槍”!!)

「「「「!?」」」」

ズドオオオォォォンッ!!

何処からかそう言う声が聞こえた瞬間、何処からか巨大な“水の槍”が放たれ、空に襲いかかる。

「別の妖術!?一体何処から」

「夜見さん達から離れなさい!!まだまだいきますよ!!妖術、参の型、“豪旋風”!!」

ブオオオォォォーーーッ!!

「うわあああぁぁぁーーーっ!?」

次の瞬間、突然、現れた、頭の頭巾がなくなった一輪はそう言いながら強力な風を放って、空を吹き飛ばす。

「私達の連携でもダメージを与えられなかった空さんを吹き飛ばした……でもあの人、今、妖術って……」

「うん。この国の妖怪は皆、『ジャック』で操られてる筈なのに……助けてくれたのかな?」

「ふぅー……やはり、参の型を連続で放つと息が上がりますね。私もまだまだ修行不足のようです……」

「い、一輪?今、私達のこと……助けてくれたの……か……?」

突然、現れ、自分達を助けてくれた一輪にフランとシュガーが困惑しながらそう言うなか、夜見はそう一輪に尋ねる。

「……お久しぶりです。夜見さん……必ず私達を助けに戻ってきてくれると……信じてましたよ……」

対する一輪は夜見を逃がした時と何ら変わらない、優しい笑顔でそう言った。
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