異変
本殿までの通路・・・
「あぁもう!!なんでこの国の妖怪が人間達を襲ってるのさ!?」
「わかりません。先程、天狗さん達にもお会いしましたが、いきなり妖術で攻撃されました。」
街中で起こった、妖怪が今まで手を取り合って生きてきた人間達を襲い始めるという突然の異変に対し、ナズーリンと一輪はそう話しながら、本殿に向かって駆ける。
「とにかく今は聖にこのことを伝えないと」
「その必要はありませんよ。あの人はもう私達よりも先に『ジャック』で操られている筈ですから。」
「甘いですねぇ。ナズーリンさん。一輪さん。天狗である私達から逃げ切れると本気で思ってたんですか?」
一輪の言葉の最中、つい先程、二人を襲撃した犬走 椛 と射命丸 文 が不敵な笑みを浮かべながら、そう言いながら現れる。
「げげっ!?もう追いついてきたのか!?」
「スピードには定評のある彼女達と私達じゃ、追いつかれるのは時間の問題と思ってはいましたが……ナズーリン。私がここで二人の相手をします……」
「!?一輪!?」
「こんな状況下でも、他にも無事な方達がいるかもしれませんし、私は聖や寅丸程、強くはありませんが、彼女達二人を足止めするぐらいのことはできます……私が二人を足止めしている隙にあなたは他の無事な方達と一緒にここから逃げてください……」
「でも、それじゃあ、一輪が……」
「フフ……心配しなくても、時間を稼いだ後、彼女達を適当にあしらってから私もすぐにそちらに向かって、合流しますよ……」
「まるで私達が噛ませ犬のような言い方ですね。」
「それにそんなことをしたところでこの辺り一帯の妖怪が『ジャック』で支配されるのは時間の問題です……無駄な抵抗はやめて、諦めてここで気絶しててください……」
「フフ。『諦めろ。』と言われると余計に挑みたくなっちゃうんですよね……」
不敵な笑みを浮かべながらそう言う文にそう言いながら、一輪は戦闘体制を取る。
「!一輪!!伏せて!!」
そんななか、何かを察知したナズーリンがそう言う。
「妖術、壱の型、“白雷”!!」
「「!?」」
バチチチチチィィィンッ!!
次の瞬間、夜見がそう言いながらその場に現れ、雷の妖術、壱の型、“白雷”を文と椛に食らわせる。
「がはっ!?」
「ぐっ!?……油断……しました……やはり……逃がして……しまいましたか……聖……」
ドサッ×2!!
「一輪!!ナズーリン!!大丈夫か!?」
自身が不意打ちで食らわせた壱の型、“白雷”で椛と文を気絶させた後、夜見はそう言いながら、一輪とナズーリンに駆け寄る。
「夜見さん……はい。お陰様で助かりました……」
「このバカ!!来るのが遅いんだよ!!」
「え!?あ、ごめん……他に無事な奴らがいないか、探してて……」
「っていうかさっきの攻撃、ボクが叫ばなかったら一輪も巻き込まれるところだったんだけど……絶対わざとだろ!!」
「……不意打ちなら、私の妖術でも一撃で倒せる確率が高くなる……ナズーリンの妖術なら、いや、ナズーリンなら事前に察知して、一輪に叫ぶと思ったんだ……」
「!?そんな、ボクが叫ぶ保証なんて何処にもないじゃないか!?」
「いいえ。ナズーリンなら絶対に叫んでくれると信じてたから、夜見さんは撃ったんですよ……ありがとうございます。ナズーリン……」
「え?いや、その……どういたしまして……」
「聖は他の無事な皆と一緒にここから逃げろって言っていた……」
「では、聖はもう……」
「………」
「……そう……ですか……」
「……行こう。他の無事な奴らを探さなきゃ……」
「はい。」
「わかったよ……」
こうして夜見達三人はその場から離れていった。
「あぁもう!!なんでこの国の妖怪が人間達を襲ってるのさ!?」
「わかりません。先程、天狗さん達にもお会いしましたが、いきなり妖術で攻撃されました。」
街中で起こった、妖怪が今まで手を取り合って生きてきた人間達を襲い始めるという突然の異変に対し、ナズーリンと一輪はそう話しながら、本殿に向かって駆ける。
「とにかく今は聖にこのことを伝えないと」
「その必要はありませんよ。あの人はもう私達よりも先に『ジャック』で操られている筈ですから。」
「甘いですねぇ。ナズーリンさん。一輪さん。天狗である私達から逃げ切れると本気で思ってたんですか?」
一輪の言葉の最中、つい先程、二人を襲撃した
「げげっ!?もう追いついてきたのか!?」
「スピードには定評のある彼女達と私達じゃ、追いつかれるのは時間の問題と思ってはいましたが……ナズーリン。私がここで二人の相手をします……」
「!?一輪!?」
「こんな状況下でも、他にも無事な方達がいるかもしれませんし、私は聖や寅丸程、強くはありませんが、彼女達二人を足止めするぐらいのことはできます……私が二人を足止めしている隙にあなたは他の無事な方達と一緒にここから逃げてください……」
「でも、それじゃあ、一輪が……」
「フフ……心配しなくても、時間を稼いだ後、彼女達を適当にあしらってから私もすぐにそちらに向かって、合流しますよ……」
「まるで私達が噛ませ犬のような言い方ですね。」
「それにそんなことをしたところでこの辺り一帯の妖怪が『ジャック』で支配されるのは時間の問題です……無駄な抵抗はやめて、諦めてここで気絶しててください……」
「フフ。『諦めろ。』と言われると余計に挑みたくなっちゃうんですよね……」
不敵な笑みを浮かべながらそう言う文にそう言いながら、一輪は戦闘体制を取る。
「!一輪!!伏せて!!」
そんななか、何かを察知したナズーリンがそう言う。
「妖術、壱の型、“白雷”!!」
「「!?」」
バチチチチチィィィンッ!!
次の瞬間、夜見がそう言いながらその場に現れ、雷の妖術、壱の型、“白雷”を文と椛に食らわせる。
「がはっ!?」
「ぐっ!?……油断……しました……やはり……逃がして……しまいましたか……聖……」
ドサッ×2!!
「一輪!!ナズーリン!!大丈夫か!?」
自身が不意打ちで食らわせた壱の型、“白雷”で椛と文を気絶させた後、夜見はそう言いながら、一輪とナズーリンに駆け寄る。
「夜見さん……はい。お陰様で助かりました……」
「このバカ!!来るのが遅いんだよ!!」
「え!?あ、ごめん……他に無事な奴らがいないか、探してて……」
「っていうかさっきの攻撃、ボクが叫ばなかったら一輪も巻き込まれるところだったんだけど……絶対わざとだろ!!」
「……不意打ちなら、私の妖術でも一撃で倒せる確率が高くなる……ナズーリンの妖術なら、いや、ナズーリンなら事前に察知して、一輪に叫ぶと思ったんだ……」
「!?そんな、ボクが叫ぶ保証なんて何処にもないじゃないか!?」
「いいえ。ナズーリンなら絶対に叫んでくれると信じてたから、夜見さんは撃ったんですよ……ありがとうございます。ナズーリン……」
「え?いや、その……どういたしまして……」
「聖は他の無事な皆と一緒にここから逃げろって言っていた……」
「では、聖はもう……」
「………」
「……そう……ですか……」
「……行こう。他の無事な奴らを探さなきゃ……」
「はい。」
「わかったよ……」
こうして夜見達三人はその場から離れていった。