折れぬ心、斬り裂く刀

「なるほど。姿を消す技もあるのですか……しかし、姿を消して、不意を突いたところで私は倒せませんよ。ましてや今のあなたはその刀で私を斬りつけることは絶対に不可能」

・・・フッ・・・

「みょんの武器がみょん鉄剣だけだなんて一言も言ってないみょん。姿を消したのは次の攻撃の下準備をするためだみょん……“曲光”を解いたから、おまえにも見える筈だみょん……」

「!?」

バチチチチチッ!!

再び姿を現した妖夢がそう言った瞬間、“赤い雷”のような光の線が早苗を取り囲むように張り巡らされる。

「こ、この赤い線は」

「破道の三十一、“赤火砲”!!」

ドカァァァンッ!!

妖夢がそう言った瞬間、早苗の周りに張り巡らされた光の線は大爆発を起こす。

「それは鬼道で作った網だみょん。“曲光”で姿を消した後、“伏火”に“赤火砲”を組み合わせた、即席の『導火線爆弾』を作って、おまえの周りに設置したんだみょん……ッ!?」

パァァァ

「なるほど……どうやら、あなたは先程の妖怪姉妹とは違うようですね。今の技は弾幕やスペカとは明らかに違うもの……あなたは一体何者ですか?」

「みょん!?それは霊夢の“結界”!?おまえも使えるのかみょん!?」

自身が放った“赤火砲”を防ぐのに早苗が展開した“結界”を見て、妖夢はそう困惑の声を上げる。

「はて?どの『霊夢さん』のことを言っているのか、わかりませんが、少なくとも、私の頭の中の『霊夢さん』とは別人なんでしょうね……せっかくですからもう一つ、面白いものをお見せしましょう……霊符、『夢想封印』!!」

ズガアアアァァァンッ!!

「みょん!?それは霊夢のスペカ!?なんでおまえが!?……縛道の八十一、“断空”!!」

パァァァ・・・ズガアアアァァァンッ!!

早苗が放ってきた『夢想封印』に対し、妖夢は“断空”で防ごうとする。

「やはり、あなた方の世界の霊夢さんもこのスペカが使えるんですね。ですが、このスペカは『幻想卿の永遠の巫女 霊夢』さんのスペカ……威力は段違いですよ……」

ピキキ・・・ッ!!

「!?“断空”に罅が!!それにあいつ、今、『幻想卿』って……」

「……少しお喋りが過ぎたようですね。あなたは良い人そうですが、これもこの世界の『平和』のため……さようなら……」

パリィィィンッ!!ズガアアアァァァンッ!!

「みょわあああぁぁぁーーーっ!?」

早苗がそう言った次の瞬間、妖夢の“断空”は砕け、妖夢は『夢想封印』に呑み込まれ、吹き飛ばされてしまった。

「……これでまた一歩、世界が『平和』に近づきました……しかし、この方以外にも侵入者はいるかもしれませんし、さっきの妖怪姉妹も何時、また襲ってくるかわかりません……引き続き、警戒するとしましょう………………イエーイッ!!大☆勝☆利!!見ててください!!『霊夢さん』!!あなたが『幻想卿』に帰った後もこの東風谷早苗、あなたの『一番弟子』としてこの世界を『悪』から護ってみせます!!『正義』は勝つ!!あっはっはっはっはっ!!」
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