ルーミアの秘密ともう一人の半妖
現在、居住区、菊・・・
「ぐぅっ!?……今のは……」
「だ、大丈夫か!?凄く苦しそうに唸っていたけど……」
自身の過去の記憶を能力を使って視始めてから少しした後、突然、苦しそうに唸り始めたさとりに対し、ルーミアは慌ててそう尋ねる。
「大丈夫よ。ただ……ごめんなさい……『何も視えなかった』わ……ううん。そもそも過去が視えたのかすら思い出せないの……」
対するさとりは申し訳なさそうな表情でそう答える。
「……こいし。さとりが心や過去を読むのに失敗したことは今まであったか?」
「う~ん……お姉ちゃんの話ではフランちゃんと霊夢は心が読みにくいって。私はともかく、完全に心が読めないのはその二人ぐらいだって言ってたよ……でも、お姉ちゃんが『何も思い出せない』なんて言ったのは今回が初めてだと思う……」
「そうか……どうやら私の記憶自体にも何か問題があるっぽいね……妖夢からの指示はあれから来たかい?」
「ううん。ただ、その……何ていうか……人間だとは思うんだけど……変な人がいて……」
「変な人?」
「ほら。向こうの家の前で項垂 れてる人……」
「う~ん……どうしようかなぁ……『悪』とはいえ、妖怪を痛めつけるのは正義っぽくないし、けど、何らかの『武勲』を残さなければ、国には帰れませんし、それに影アリスさんや影霊夢さんに加頭さん、凄く怖いし……逆らったら、私もただじゃすまないでしょうしね……はぁ……なんで私のサイキックって特殊系なんだろう……もっとこうインチキとか言われないようなサイキックだったら良かったのに……あぁ!!霊夢さん!!なんで『幻想卿』に帰っちゃったんですか!?私、あなたの一番弟子なんですよ!?連れてってくれても良いじゃないですか!!私に居場所なんてないし、どうせ、何やってもダメなんですからあああぁぁぁーーーっ!!!」
こいしがそう言いながら指差す先には、ブツブツとそう言いながら項垂れている早苗がいた。
「……何やってんの?……あの人……」
「なんか凄く困ってるみたいだけど、この国の人間か敵かもわからないし、とりあえずルーミアちゃんとお姉ちゃんが起きるまで様子見てたの……」
「……人間だけど……私も五十年以上、この国から離れてたし、この国の人間か敵なのかまではちょっと……」
「……ダメね。私も心が読めないわ……」
「お姉ちゃん。無理せず、少し休んでた方が……」
「ありがとう。でも平気よ。少しだけクラっとしただけだから、それよりもこの後、どう行動するかね……多分、妖夢からの指示はもう期待できそうにないし、ここで時間を浪費するのも惜しいわ。夜見から貰った地図を頼りにめぼしい場所を隈無く探しましょう。妖夢からの指示が無くても、捕らえられた人間達の“心の声”が聞こえる範囲までくれば、私でも探し出せる筈よ。勿論、敵に見つかるリスクも上がるけど……ってルーミアは?」
「あ!あの変な人の所に!!」
「う~ん……でも……はぁ……ダメですね。自分の『強さ』を認めてもらうために、国を飛び出してここまで来たのに妖怪という名の『悪』に同情してしまうとは情けないです……」
「……おい。緑色……何時まで項垂れてるんだ?」
「うぇっ!?よ、妖怪!?何時から私の後ろに……」
「割とさっきから……独り言から察するにあんたはこの国を乗っ取ろうとしている輩の仲間なんだろうけど……何だってだ!?その態度!!中途半端な気持ちでやるならやめちまえ!!こっちは本気で自分の国、取り返しに来てんだ!!なのにおまえときたら、あれはダメだ、これは良くないだのウジウジウジウジ・・・『女は度胸』だろ!!今すぐ『覚悟』を決めて、もっとシャキッとしろよ!!バカ野郎!!!」
「ば、バカ!?というか今、国を取り返しに来たって」
「敵とか味方とか今はどうでもいいから!!ほら、どっち!?今すぐ『覚悟』を決めて、私達と戦うか!?荷物を纏めて、国に帰るか!?」
「で、でも私、何やってもダメだし、正しい決断なんて……」
「正しいとか正しくないとかじゃない!!間違ってでも良い!!その時は私達が教えてやるから!!今、大事なのはおまえ自身がどうありたいかだ!!」
「わ、私自身が………………………(私は……国の皆に……自分の『強さ』を……)」
「もっと大きく!!腹から声出せ!!つうか叫べ!!!」
「私は国の皆に認められたい!!私自身の『強さ』を!!運動音痴で『武術』がさっぱりだって……皆よりも身体が弱くたって!!私も『武人の国』の、この世に蔓延る『悪』を討つ『武人』なんです!!かつて、『偉人』と呼ばれた武人達も『強大な一匹の妖怪』に破れました。だから、私がこの『妖怪の国』に正義の鉄槌を下し、証明するんです!!私自身の武人としての『誇り』と『強さ』を!!例え、霊夢さんが側にいなくても私は……私は一人で戦えます!!」
「ぐぅっ!?……今のは……」
「だ、大丈夫か!?凄く苦しそうに唸っていたけど……」
自身の過去の記憶を能力を使って視始めてから少しした後、突然、苦しそうに唸り始めたさとりに対し、ルーミアは慌ててそう尋ねる。
「大丈夫よ。ただ……ごめんなさい……『何も視えなかった』わ……ううん。そもそも過去が視えたのかすら思い出せないの……」
対するさとりは申し訳なさそうな表情でそう答える。
「……こいし。さとりが心や過去を読むのに失敗したことは今まであったか?」
「う~ん……お姉ちゃんの話ではフランちゃんと霊夢は心が読みにくいって。私はともかく、完全に心が読めないのはその二人ぐらいだって言ってたよ……でも、お姉ちゃんが『何も思い出せない』なんて言ったのは今回が初めてだと思う……」
「そうか……どうやら私の記憶自体にも何か問題があるっぽいね……妖夢からの指示はあれから来たかい?」
「ううん。ただ、その……何ていうか……人間だとは思うんだけど……変な人がいて……」
「変な人?」
「ほら。向こうの家の前で
「う~ん……どうしようかなぁ……『悪』とはいえ、妖怪を痛めつけるのは正義っぽくないし、けど、何らかの『武勲』を残さなければ、国には帰れませんし、それに影アリスさんや影霊夢さんに加頭さん、凄く怖いし……逆らったら、私もただじゃすまないでしょうしね……はぁ……なんで私のサイキックって特殊系なんだろう……もっとこうインチキとか言われないようなサイキックだったら良かったのに……あぁ!!霊夢さん!!なんで『幻想卿』に帰っちゃったんですか!?私、あなたの一番弟子なんですよ!?連れてってくれても良いじゃないですか!!私に居場所なんてないし、どうせ、何やってもダメなんですからあああぁぁぁーーーっ!!!」
こいしがそう言いながら指差す先には、ブツブツとそう言いながら項垂れている早苗がいた。
「……何やってんの?……あの人……」
「なんか凄く困ってるみたいだけど、この国の人間か敵かもわからないし、とりあえずルーミアちゃんとお姉ちゃんが起きるまで様子見てたの……」
「……人間だけど……私も五十年以上、この国から離れてたし、この国の人間か敵なのかまではちょっと……」
「……ダメね。私も心が読めないわ……」
「お姉ちゃん。無理せず、少し休んでた方が……」
「ありがとう。でも平気よ。少しだけクラっとしただけだから、それよりもこの後、どう行動するかね……多分、妖夢からの指示はもう期待できそうにないし、ここで時間を浪費するのも惜しいわ。夜見から貰った地図を頼りにめぼしい場所を隈無く探しましょう。妖夢からの指示が無くても、捕らえられた人間達の“心の声”が聞こえる範囲までくれば、私でも探し出せる筈よ。勿論、敵に見つかるリスクも上がるけど……ってルーミアは?」
「あ!あの変な人の所に!!」
「う~ん……でも……はぁ……ダメですね。自分の『強さ』を認めてもらうために、国を飛び出してここまで来たのに妖怪という名の『悪』に同情してしまうとは情けないです……」
「……おい。緑色……何時まで項垂れてるんだ?」
「うぇっ!?よ、妖怪!?何時から私の後ろに……」
「割とさっきから……独り言から察するにあんたはこの国を乗っ取ろうとしている輩の仲間なんだろうけど……何だってだ!?その態度!!中途半端な気持ちでやるならやめちまえ!!こっちは本気で自分の国、取り返しに来てんだ!!なのにおまえときたら、あれはダメだ、これは良くないだのウジウジウジウジ・・・『女は度胸』だろ!!今すぐ『覚悟』を決めて、もっとシャキッとしろよ!!バカ野郎!!!」
「ば、バカ!?というか今、国を取り返しに来たって」
「敵とか味方とか今はどうでもいいから!!ほら、どっち!?今すぐ『覚悟』を決めて、私達と戦うか!?荷物を纏めて、国に帰るか!?」
「で、でも私、何やってもダメだし、正しい決断なんて……」
「正しいとか正しくないとかじゃない!!間違ってでも良い!!その時は私達が教えてやるから!!今、大事なのはおまえ自身がどうありたいかだ!!」
「わ、私自身が………………………(私は……国の皆に……自分の『強さ』を……)」
「もっと大きく!!腹から声出せ!!つうか叫べ!!!」
「私は国の皆に認められたい!!私自身の『強さ』を!!運動音痴で『武術』がさっぱりだって……皆よりも身体が弱くたって!!私も『武人の国』の、この世に蔓延る『悪』を討つ『武人』なんです!!かつて、『偉人』と呼ばれた武人達も『強大な一匹の妖怪』に破れました。だから、私がこの『妖怪の国』に正義の鉄槌を下し、証明するんです!!私自身の武人としての『誇り』と『強さ』を!!例え、霊夢さんが側にいなくても私は……私は一人で戦えます!!」