ルーミアの秘密ともう一人の半妖

「これはおばあ様とその友達に手を出そうとした報いよ……」

「やったなぁ。エリち……一応、聞いとくけど、どこかケガとかしてへん?」

「大丈夫よ。ノン。服の袖がちょっとだけ切れちゃったけど、それ以外はたいしたケガはしてないから。」

「見事だったぞい。エリーチカにノン……ノンは最初から幻術で姿を隠しておったな……」

ヴァルキリーを倒した後、そう話をするエリーチカとノンに対し、マミゾウがそう言って話しかける。

「あぁ~~~、やっぱりおばあちゃんにはバレておったかぁ8久しぶり♪おばあちゃん♪」

「うむ。久しぶりじゃのぉ・・・お主も元気そうでなによりじゃ・・・」ナデナデ

「やん~~~♪」

「え、え~と、おばちゃん?」

「その人は・・・?」

マミゾウに笑顔で頭を撫でられながら、気持ち良さそうにしているノンを見ながら、小鈴と慧音はそうマミゾウに尋ねる。

「あぁ、こやつの名はノン。儂と同じ化け狸の妖怪でエリーチカと同じように『外の世界』で知り合っての・・・エリーチカと同様、儂のことを実の祖母のように慕ってくれておる子じゃ・・・」

「改めて、私は魔法世界、『アクエリアス』から来た九尾の妖狐兼稲荷神のエリーチカと言います。」

「うちは魔法世界、『アクエリアス』の妖狸でエリちの補佐のノンや。よろしゅうな♪」

そんな二人に対し、マミゾウは簡単にそう説明し、エリーチカとノンはそう自己紹介する。

「ところで、二人は何故、ここにおるのじゃ?」

エリーチカとノンが慧音と小鈴に自己紹介した後、マミゾウはそう二人に尋ねる。

「八雲紫という人から今、この国で起きている異変とその背後で『Xマジンラー』が糸を引いていることを聞いて……」

「それで前々から『Xマジンラー』と敵対している人達と一緒にこの国に来たんや。おばあちゃんも住んでいるこの国を『Xマジンラー』の脅威から救うためにな。」

対する二人は真剣な表情でそう説明する。

「八雲紫……なるほど。なかなか粋な真似をしてくれるのぉ……ならば、儂も“力”を貸そう……ちょうどそこに牢から脱走した二人もいるしのぉ・・・」

そんな二人の説明を聞いた後、マミゾウは慧音と小鈴の二人を見ながら、そう協力を申し出る。

「え!?ほんまか!?」

「あぁ。本当だ。」

「あの。でしたら、あなた達が捕らわれていた牢があった場所まで案内をしてもらっても良いですか?」

驚くノンにそう答える慧音に対し、エリーチカが真剣な表情でそう頼み込む。

「勿論だとも。元より私達は頼りになる味方を集めてから、残された人間達の救出に向かうつもりだったからな。マミゾウさんは勿論、あなた達も協力してくれると心強い。」

対する慧音は笑顔でそう言って了承する。

こうしてエリーチカ、ノン、マミゾウの三人は慧音と小鈴の案内の元、人間達が捕らわれている牢へと向かった。
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