ルーミアの秘密ともう一人の半妖

「!?二人とも、伏せるんじゃ!!」

「「?」」

ズドドドドドッ!!

そんななか、マミゾウがそう慧音と小鈴に警告した瞬間、上空から五弾の緑の光弾が襲ってくる。

「妖術、“水鏡”!!」

パァァァ・・・ズガガガガガァンッ!!

が、マミゾウが『妖怪の国』に迷い込んでから身に付けた“水鏡”で防ぐ。

「上手く隙を突いたと思ったんですが……流石は一時期はこの国の総大将を務めていただけはあるようですね……」

次の瞬間、光弾が放たれた上空から翼を生やした騎士のような怪人……『Xマジンラー』が影アリスに貸し与えた怪人達の一体であるファントムヴァルキリーがそう言いながら、舞い降りてくる。

「ひっ!!」

「!?怪人!!」

「………」

「はじめまして。『妖怪の国』の元総大将、二ツ岩マミゾウさん。私は偉大なる『Xマジンラー』から派遣されたファントム、ヴァルキリーと申します。」

突如、襲ってきたヴァルキリーに小鈴が思わず悲鳴を上げ、慧音が思わずそう動揺の声を上げるなか、ヴァルキリーは恭しく頭を下げながら、マミゾウに対してそう挨拶する。

「……『Xマジンラー』……近頃、噂になっておる、様々な世界で暴れておる怪人達の組織か……ということは今回の異変の原因はお主らか……」

対するマミゾウは真剣な表情で睨み付けながらそう言う。

「まぁ、『ジャック』の術者に協力しているのは確かですね……さっそくで申し訳ありませんが、あなた達にはここで捕まってもらいます……」

バラララララララララララララララッ!!

ヴァルキリーはそう言いながら、十五個の魔石をばら蒔く。

ズズズ・・・ッ!!

『ギャオオオォォォッ!!』

次の瞬間、ばら蒔かれた魔石から十五体のグールが召喚され、マミゾウ、慧音、小鈴の三人を取り囲む。

「け、慧音先生。おばちゃん……」

「ッ……」

「………」

ヴァルキリーに召喚されたグール達は三人を捕らえようと歩み寄る。

ドカカカカカカカカカカカカカカカァァァンッ!!

「「「「!?」」」」

が、突如、グール達が爆発し、消滅する。

「おばあ様とその友達に手出しはさせない……」

「!?エリーチカ!!」

次の瞬間、ノンと一緒に人間達の救出に当たっていたエリーチカが真剣な表情でそう言いながら、三人の前に現れる。

「?マミゾウさん。彼女は知り合いですか?」

「あぁ、あやつの名はエリーチカ。『外の世界』の九尾の妖狐で前に『扉』を通って出掛けた先の世界で知り合っての。今では儂のことを実の祖母のように慕ってくれておる。」

「やれやれ……またしても『外の世界』から来た部外者の邪魔が入るとは……」

「……おばあ様達は手を出さないでください。こいつは私“達”が倒します……」

首を傾げながらそう尋ねる慧音に対し、マミゾウがそう答えるなか、自分を見ながらため息混じりにそう言うヴァルキリーを睨み付けながら、エリーチカは真剣な表情でそう言う。

(私達?)

「うむ。任せたぞ。エリーチカ。」

エリーチカが言った『私達』という単語に慧音がそう思いながら首を傾げるなか、マミゾウは信頼した顔でそう言う。

そうしてエリーチカVSヴァルキリーの戦いが始まった。





森の中・・・

その頃、ノゾミとにとりと同様、結界装置の破壊を担当することになった阿号はにとりと別れ、結界装置に向かって、駆けていた。

ズドドドドドッ!!

「!?」

そんな阿号に対し、何処からか光弾が放たれる。

「くっ!!」

対する阿号はそう言いながら、光弾をかわしながら立ち止まる。

次の瞬間、阿号の前に光弾を放った九体の低級ロイミュードが現れる。

「阿号・・・倒す・・・」

「・・・」

パキィィィンッ!!

現れた低級ロイミュード達がそう言いながら、戦闘体制を取るなか、阿号は戦闘モードに変わる。

次の瞬間、阿号VS九体の低級ロイミュードの戦いが始まった。
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