ルーミアの秘密ともう一人の半妖

「う~ん……ルーミアちゃんがそんなことするようには見えないんだけど……」

「私にもよくわからないんだ。ただうっすらと覚えている記憶と『幽玄卿』の木に書かれてあった内容でしか情報がなくて……」

さとりの説明を聞いた後、首を傾げながらそう言うこいしに対し、ルーミアは真剣な表情でそう言う。

「そうだよねぇ~……この国の人なら何か、知ってるかもだけど、妖怪は皆、『ジャック』に操られてそれどころじゃないし、今は人間さん達も助けなきゃいけないもんね……あ!お姉ちゃんの能力なら、過去の記憶が視えるんじゃない!?ほら!!この前、妖夢の記憶にないようなトラウマ、ほじくり返して弄ってたじゃん!!」

「あ、あれは妖夢がしつこかったから、やっただけで……」

「気持ちはわからなくもないかな……妖夢は妖夢だから……」

「……確かに頭の中にはない、過去の記憶を視ることもできなくはないわ。ただ本人の意識の範囲外の記憶はとても不明瞭で視えづらいの……あなたにとっての嫌な思い出を呼び起こすかもしれないわ……」

「……危険が伴うのはわかってる。だが、何もわからないままよりはマシさ。それに今回の騒動と私の身に起きた異変が全くの無関係とも思えないんだ……」

「………………わかったわ。できる範囲で探ってみましょう。こいし。少しの間、周囲の見張りをお願いしても良いかしら?」

「勿論だよ♪ルーミアちゃんもお姉ちゃんも頑張って♪」

「……ありがとう……」

「じゃあ、ルーミア。目を閉じて、身体を楽にして。」

さとりにそう言われた後、ルーミアは言われた通りに目を閉じて、身体を楽にする。

「そう。そしてそのまま、意識を失う直前のことを思い始めるの。『幽玄卿』に追放される前、意識のない間に何を見聞きしていたのか……集中……心の記憶を遡って……」

そうしてさとりも目を閉じて、意識を集中し始めた。
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