信じる力

「あれ?……おかしいな?……悲しくなんてないのに……」

(『私の夢か?そうだな……聖がいつも言っていた『人間と妖怪が手を取り合う世界』を見ることかな……』

『あぁ~、はいはい……キミは本当に聖のことが好きだね。いつか、その世界を聖と一緒に見れたら良いね……』

『違うよ。聖だけじゃないよ。寅丸も一輪も……それにナズーリンも!!』

『え!?ボ、ボクもかい!?』

『当たり前だろ?皆で一緒にその世界を見るのが私の夢なんだから!!』

『ふ、ふ~ん。まぁ、その時が来たら、一緒に見てあげても良いけど……』

『きっと来るよ!!』

『……そうだね。』)

「!?そうだ……ボクが……ボクらが創りたかったのは……人間と妖怪が……手を取り合う……」

「!?何を言ってるのですか!?ナズーリン!!私達の……目指す世界は……お互いを尊重し合う……」

「!?何を世迷い言を言っている!?妖怪共!!さっさとその白黒の魔法使いを始末しろ!!」

突然、涙を流しながらそう呟き始めるナズーリンと寅丸に対し、コマンダードーパントは憤慨しながらそう言う。

「私は……何を言って……」

「頭の中で否定しても……記憶を塗り替えられたとしても……本当に大切なものってのは心に刻まれ、残り続けるものなんだぜ……」

森の中の稽古場・・・

「あの子の想いは『ジャック』になんか負けないわ!!勿論、あなたにも邪魔させない!!」

「……そうかい。だったら、私に勝って、証明してみせろよ……おまえらの言う、『信じる力』の強さってやつをな!!」

影魔理沙はそう言いながら箒に跨がり、飛び上がる。

寺へと続く道・・・

「ちぃっ……役立たずな人形共が!!」

苛立ちをあらわにしたコマンダードーパントが寅丸とナズーリンに向けて、ミサイルを放とうとする。

「そうはさせない!!」

『シャバドゥビタッチヘンシーン!!シャバドゥビタッチヘンシーン!!』

『ストーム・プリーズ。ゴォォォ、ゴォォォ、ゴォォォッ!!ゴォォォッ!!ゴォォォッ!!』

パキィィィンッ!!

「はあああぁぁぁーーーっ!!」

「!?」

ズバァァァンッ!!

が、機動性の高いストームスタイルに変わったホープが二刀流のホープソードガンで攻撃を仕掛け、妨害する。

「ッ……例え、そうだとしても……私は……私はあなた達を倒さなければならないのです!!」

「……ナズーリンの方はおとなしくなったが、やはり戦わずに止めるのは無理か……仕方ねぇ。本当はやりたくなかったが、おまえらのこと、夜見から頼まれちまったからな……おまえらを止めれんだったら、何でもしてやるぜ!!」

魔理沙はそう言いながら、既に人間態になっているにも関わらず、完成品の薬を取り出し、飲み干した。
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