強き『か弱いお嬢さん』

鳥居前・・・

「白狼天狗の剣術、その身に受けてみよ!!」

ズバババババババババババババババァンッ!!

椛はそう言いながら、レミリアに十数回と斬りかかる。

が、レミリアはそれを全て、紙一重でかわしきる。

「どうしたの?全然、当たってないんだけど?」

「くっ!!」

「どいて!!妖術、壱の型、“竜水”!!」

ザパァァァンッ!!

かわしきった後、そう言って挑発するレミリアに椛が舌打ち混じりにそう言うなか、多々良たたら小傘こがさがそう言いながら、強力な威力の波を放つ。

が、レミリアはそれを難なくとかわす。

「今度はこっちだ!!妖術、壱の型、“鬼火”!!」

ボォォォッ!!

その直後、今度は封獣ほうじゅうぬえがそう言いながら炎を放つ。

が、レミリアはそれも難なくかわしてみせる。

「あ、当たらない……どうして……ミスティアさん!!あなたの妖術、全然効いてないじゃないですか!?」

「……効いてない訳じゃないです……確かに視覚と聴覚を奪っているのに……全部、かわされてる……」

自分達の攻撃は全て、かわされてることにそう言う文に対し、自身の妖術でレミリアの視覚と聴覚を奪っているミスティアは困惑しながらそう答える。

「そんなこと、ありえません……脆弱ぜいじゃくな人間に妖怪である私達が遅れを取るなんて……そんなこと、あってはならないのです!!妖術、弐の型、“豪風”!!」

ブオオオォォォッ!!

文はそう言いながら、フランに対する最初の不意討ちに使った妖術、弐の型、“豪風”を放つ。

が、それも難なくとかわされる。

「どうしたの?こんなにも『か弱いお嬢さん』相手に掠り傷一つも付けられないなんて……折角、五人もいるのに情けないわね……」

「……こいつ……本当に人間のガキか?」

「後ろを取って、攻撃してもかわされる……誰だって視覚と聴覚を奪われたら、動きが鈍るのに……」

「くっ……もう一度……!!」

目が見えず、耳も聞こえない状態で自分達の攻撃をかわしていくレミリアにぬえと小傘が困惑しながらそう言うなか、椛はそう言いながら再び斬りかかろうとする。

「時間切れよ。」ガッ!!

「!?」

が、次の瞬間、レミリアはそう言いながら、椛の背後を取り、後ろから両腕を掴む。

「な、何をする!?離せ!!くそっ!!なんだ!?こいつ、妖怪である私が力で振りほどけないなど!?離せ!!離せ!!」ジタバタジタバタ

「ま、まさか……」

「……少しだけ貰うわよ……」

捕まった椛がそう言いながら暴れ、文がそう言うなか、レミリアはそう言いながら、椛の首筋に牙を立て、吸血し始めた。

「があぁあぁぁあああぁああぁぁぁあぁああぁあああぁあぁぁああぁあぁあぁぁあああぁああぁぁぁあぁああぁあぁっ!!?」
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