暴れる“哀しみ”と光の巨人

本殿・・・

「一輪さん。あの怪獣が時折、発しているあの声は……」

「……はい。間違いなく、『影の国』のアリスさんの声です……もしかしたら、あれが彼女の本心なのかもしれません……」

『あの子が……あの子が羨ましい……』

「ん?」

すっかり天井に穴が開いた本殿から見えるデストロイアデザトリアンとガンダム達の戦いを見ながら、フランと一輪がそう話をするなか、デストロイアデザトリアンはふとそう呟き始める。

『この国で……たくさんの人間や妖怪と仲良く暮らす……あの子があああぁぁぁーーーっ!!』

ズガアアアァァァンッ!!

『!?』

次の瞬間、デストロイアデザトリアンはそう叫びながら、まだ本殿からの避難が完了していなかったホープ達に向けて、“オキシジェン・デストロイヤー・レイ”を放ってくる。

『!?マズい!!』

その様子を見ていたマンティスが乗るクオリアはそう言いながら、シールドビットで防ごうとする。

パアアアァァァッ!!

『!?』

「え!?」

「ノゾミ!?」

が、次の瞬間、何処からか、飛んできた巨大な“光の玉”がデストロイアデザトリアンの“オキシジェン・デストロイヤー・レイ”を防ぎ、ホープがその光の中に包み込まれた。
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