序章:牙狼

ラインシティー、街中・・・

ドカァァァンッ!!

ワーッ!!キャーッ!!

「ワッハハハハハッ!!この世界の『時間』は貰うぜぇ!!!」

最強クラスの魔戒法師、リュメの法力によって、ホラーの“脅威”から守られている筈のラインシティーで今、かつて、電王に倒された筈のイマジン、アルマジロイマジンがそう言いながら、暴れていた。

ザッ!!

そんななか、二人の男女がその場に駆けつける。

「……ザルバ。」

『あぁ、“邪気”は感じるが、奴はホラーじゃねぇ……』

自分達の目の前で暴れているアルマジロイマジンについて、そう尋ねる青年、道外流牙に対し、彼の左手の中指に嵌められている魔導輪、ザルバはそう答える。

「!?ホラーじゃない!?じゃあ、あの怪人は一体何なの!?」

「ワッハハハハハッ!!」

ドカァァァンッ!!

『ホラーではない。』というザルバの見解を聞いて、女性、莉杏がそう困惑の声を上げるなか、アルマジロイマジンは鉄球を振り回して、破壊活動を続ける。

「とにかくこのまま放っておく訳にはいかない!!莉杏!!援護を頼む!!」

「うん!!」

そうして流牙と莉杏はアルマジロイマジンに向かっていく。

「ワッハハハハハッ!!」

「はぁっ!!」

「!?」

ドカァァァンッ!!

愉しそうに破壊活動を続けるアルマジロイマジンに対し、莉杏は魔導筆から“法力”を放ち、攻撃する。

「うおっ!?くっ・・・なんだぁ~?」

攻撃を受けたアルマジロイマジンが首を傾げながら、莉杏の方に振り向くなか、

「はあああぁぁぁっ!!」

「!?」

赤い鞘から魔戒剣を引き抜いた流牙が斬りかかる。

ガキィィィンッ!!

「なっ!?」

「………」

が、アルマジロイマジンに傷を付けることができず、受け止められる。

「ふん!!」

「!?」

ドカァァァンッ!!

流牙の魔戒剣を受け止めた後、アルマジロイマジンは流牙を殴り飛ばす。

「ぐわぁぁぁっ!?」

「流牙!!」

「アッハハハハハッ!!」ブォンッ!!

「!?」

殴り飛ばされた流牙を心配する莉杏に対し、アルマジロイマジンは嗤いながら、鉄球を投げつけてくる。

「くっ!!」バッ!!

ドカァァァンッ!!

対する莉杏は咄嗟にジャンプして避け、避けられた鉄球は先程まで莉杏がいた地面にめり込む。

「はぁっ!!」

ドカァァァンッ!!

鉄球を避けた直後、莉杏は魔導筆から再び“法力”を放ち、命中させる。

「フフフ……」

「!?」

が、アルマジロイマジンには大したダメージを与えることができなかった。

「はあああぁぁぁっ!!」

そんなアルマジロイマジンに対し、流牙は突っ込み、連続で斬りかかる。

ガキィンッ!!ガキィンッ!!ガキィンッ!!

が、アルマジロイマジンの身体には傷一つ付けられない。

「ふん……オラァァァッ!!」

「!?」

ドカァァァンッ!!

アルマジロイマジンは流牙を再び殴り飛ばす。

「ぐわぁぁぁっ!!」

「流牙!!」

「アッハハハハハッ!!」ブォンッ!!

またしても殴り飛ばされた流牙に莉杏がそう言うなか、アルマジロイマジンは鉄球を投げつけ、追い討ちをかけようとする。

「ッ!!」バッ!!

ドカァァァンッ!!

対する流牙は紙一重で鉄球を避け、避けられた鉄球は先程まで流牙がいた場所の地面にめり込んだ。
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