魔界への突入

『魔界』、『魔王城』、最上階・・・

「おい。ドレッド。なんで連中から『賢者の石』を奪わず、あんな小娘なんかを拐ってきたんだ?」

その頃、『魔界』の中枢にある『マジンラー』の拠点である城、『魔王城』の最上階にて、両手を鎖で縛られ、上から吊るされた状態で気絶している莉杏を見ながら、牙王は玉座に腰を下ろしているドレッドに尋ねる。

「より確実に『賢者の石』を奴らに運んでもらい、且つスムーズに手に入れるためだ……それに今の牙狼に精神的なダメージを与えるための余興にも使えそうだしな……」

「ほぅ……」

「ドレッド。先程、電王とウィザード、牙狼が無事『魔界』に入り込んだらしいぞ。」

ドレッドと牙王がそう話をするなか、死郎がそう言う。

「そうか……フフフ……なら、奴らを歓迎するための準備をしなくてはな……ヤツを呼べ。死郎……牙狼を精神的に追い詰めるためにな……」

「了解した。」

「ククク……漸く奴らを喰えるぜぇ……ククク……」

『マジンラー』もまた決戦に向かって、準備を始めた・・・
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