魔界への突入

デンライナー内・・・

「まさか、莉杏さんが拐われるとは……」

「『賢者の石』をスムーズに手に入れることが“狙い”なんでしょうか?」

「恐らくそうでしょうね……」

魔王に莉杏を拐われた後、『魔界』へと向かうデンライナー内でオーナーとハナはそう話している。

「莉杏……くっ!!」

ダンッ!!

自分の目の前でパートナーの莉杏が拐われたことに対し、流牙は悔しそうにそう言いながら壁を殴る。

「流牙……」

「流牙さん……」

『流牙……心配するな。あの嬢ちゃんがそんな簡単にやられるような玉じゃないってことくらい、おまえもよく知ってるだろ?』

そんな流牙を見て、晴斗と良太郎がそう言うなか、ザルバが冷静にそう言う。

「ザルバ……あぁ、そうだったな……」

「しかし、弱ったね。向こうが要求している『賢者の石』と交換となると……」

「『賢者の石』を用意しないといけない。でも、『賢者の石』は……」

「あぁ、『賢者の石』は俺の『アンダーワールド』の中に封印していてもう俺の手元にもない。」

「どうしたものか……」

『………』

そうしてその場は何とも言えない沈黙に包まれる。

「……あぁ!!もう息苦しい!!んなもん、考えなくてもわかるだろうが!!」

「あぁ!!」

が、モモタロスと仁藤が若干声を荒げながらそう言う。

「どっちみち『マジンラー』をぶっ潰すために『魔界』に行くんだ!!」

「なら、連中をぶっ潰すついでに拐われた莉杏を救い出せば良い!!」

「もう二人とも!!そんな単純な問題じゃ」

「いや。二人の言う通りだ。」

「あぁ、拐われた莉杏を取り返して、『マジンラー』を倒す……ただそれだけだ……」

ハナの言葉の最中、真剣な表情でそう言う良太郎と晴斗の言葉を聞いて、モモタロス、ウラタロス、キンタロス、リュウタロス、流牙、阿号、仁藤の七人も真剣な表情になる。

「……オーナー……」

「わかっています。莉杏さんを助け出すためにも急ぎましょう。」

「侑斗と幸太郎も聞いてたよね?」

『あぁ。』

『勿論だよ。爺ちゃん。』

オーナーとそう言葉を交わした後、そう確認してくる良太郎に対し、侑斗と幸太郎も通信越しにそう答える。

そうしてデンライナー、ゼロライナー、Newデンライナーはスピードを上げて、『魔界』へと入っていった。
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