リベンジと強敵(とも)

「!?何をしている阿号!!さっさと牙狼を始末しろ!!」

そんな阿号に対し、ネガ電王がそう命ずる。

「………」

が、阿号はただ沈黙する。

(……阿号……)

「!?ソウタツ……法師……」

『!?』

(阿号。目を覚ませ……おまえは邪悪な組織、『マジンラー』に操られているんだ……)

(!?法師……ですが、身体が!!)

(阿号。おまえの身体を支配する“邪気”は俺がなんとかする……おまえは魔戒騎士達の……牙狼の“力”になってやれ……!!)

(法師……)

「何をしているんだ!?阿号!!さっさと始末しろ!!」

頭の中で阿号自身の“意思”と今は亡き自らの創造主である魔戒法師、ソウタツの“魂”がそう対話するなか、ネガ電王は苛ついたようにそう言う。

「ぐっ……うおおおぉぉぉっ!!」

シュオオオ・・・ッ!!

『!?』

が、次の瞬間、阿号の身体から黒い障気の塊、“邪気”が出てきて、上昇する。

「!?まさか、あれは阿号を操っていた“邪気”」

{魔戒騎士達よ……}

『!?』

突如、上昇した“邪気”の近くにソウタツの“霊体”が出現する。

「な、なんだありゃあ!?お化けか!?」

「まさか、あなたは……阿号を作った……」

{あぁ……}

モモタロスがそう言いながら困惑するなか、そう尋ねる莉杏に対し、ソウタツはそう答える。

{阿号を操っていたこの“邪気”は俺が“地獄”に持っていく……}

「!?そんなことをしたらあなたが!!」

{魔戒騎士達よ……阿号をよろしく頼む……}

パァァァ・・・

ソウタツは笑顔でそう言いながら、“邪気”と共に光となって消えた。

「!」

「ば、バカな」

「うおおおぉぉぉっ!!」

「!?」

そのことにネガ電王がそう言いながら困惑するなか、正気に戻った阿号は先程まで寸止めしていた剣でネガ電王に斬りかかる。

「くっ!!」

ズガァァァンッ!!

ネガ電王はジャンプすることで阿号の剣をギリギリ避ける。

「貴様ら……よくも俺を今まで……!!」ガチャンッ!!

阿号はそう言いながら、足裏から金具を出し、固定させる。

「!皆、伏せろ!!」

かつての戦いで阿号のその行為の意味を知っていた牙狼はすぐさま仲間達にそう言う。

「うおおおぉぉぉーーーっ!!」

グオオオォォォッ!!

次の瞬間、阿号は剣を両手で握り、その場で回転する。

ズバアアアァァァンッ!!

『グオオオォォォッ!?』

ドカァァァンッ!!

それにより、牙狼の助言で伏せていた莉杏と電王組以外のイマジンとホラーが全て斬られ、その場で爆発し、消滅した。
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