序章:牙狼

「ふぅ……」

アルマジロイマジンを倒した後、牙狼は牙狼剣を鞘に納め、鎧を解除する。

「流牙!!」

「莉杏。大丈夫か?」

「えぇ。私は大丈夫。」

「そうか……」

『それにしても、厄介なことになったな。』

「あぁ、あいつがホラーとは違う新たな敵だとするなら、厄介だ。夜になってから『陰我』を通って現れるホラーと違って、こんな真っ昼間から現れる上、“法力”も効かない……」

「倒せるのは鎧を纏った魔戒騎士だけ……今回、出てきたあの怪人だけなら良いけど、もし、他にもあんなやつがいるとしたら……」

『間違いなく昼間での“エレメント”の“浄化”にも支障が出るな。そうなったら、必然的に夜に現れるホラーの数も増える……』

「最終的には人間界があの怪人とホラーに支配される……」

「そんな……」

「早い内にあの怪人の“正体”を突き止めて、手を打たないと……」

流牙が真剣な表情でそう言っているなか、

Prrr・・・Prrr・・・

莉杏の携帯が鳴る。

ピッ!!

「はい。もしもし……はい……はい……はい。わかりました。」

ピッ!!

「流牙。リュメ様が『大事な話があるからすぐ来て。』って。」

「わかった。」

そうして流牙と莉杏はリュメの屋敷へと向かった。
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