序章:ウィザード

とある町、路地裏・・・

「キャアアアッ!!」

とある町の路地裏で今、一人の女性がそう悲鳴を上げる。

「グルルル・・・」

その女性の目の前には全体的に黒く、コウモリみたいな翼と先が尖った尻尾を持った、『悪魔』を彷彿とさせる怪人がいた。

「嫌!!来ないで!!」ブンブン!!

迫り来る怪人に女性は持っていたバッグを振り回しながらそう言う。

「グオオオォォォッ!!」

が、怪人は聞く耳を持たずに雄叫びを上げながら、女性に向かって突っ込んでいく。

ズドドドドドォンッ!!

ズガガガガガァンッ!!

「グオオオッ!?」

が、何処からか銀の銃弾が数弾放たれ、その銃弾が全弾、怪人に命中する。

「女性は大切にしないとダメだぜ?怪人さん………」

次の瞬間、銀色の銃、ウィザーソードガン・ガンモードを持った青年、操真晴斗がそう言いながら、その場に現れる。

「グッ・・・ウゥ・・・」

「早く逃げろ!!」

「は、はい!!ありがとうございます!!」

タタタッ!!

銃弾を受けて、怪人が怯んでいるなか、晴斗はそう女性に呼び掛け、女性はそう言いながら、その場から走り去っていった。

「くっ……貴様……よくも食事の邪魔を……!!」

「おあいにくさま。おまえみたいな奴の邪魔をするのが俺の仕事なんでね。」

憤慨する怪人にそう言いながら、晴斗は右手の中指に『ウィザードリング ドライバーオンリング』を嵌め、ベルトに翳す。

『ドライバーオン・プリーズ』

次の瞬間、ベルトが中央に右側に傾いた黒い手形が付き、両端にシフトレバーが付いたドライバー、『ウィザードライバー』に変わる。

晴斗はシフトレバーを操作して、手形を左側に傾ける。

『シャバドゥビタッチヘンシーン!!シャバドゥビタッチヘンシーン!!』

音声が鳴り響くなか、晴斗は赤い宝石が埋め込まれたウィザードリング、『フレイムリング』を取り出し、左手の中指に嵌め、ウィザードリングに付いているカバーを下ろす。

「変身。」

次の瞬間、晴斗はそう言いながら、ドライバーに左手を翳す。

『フレイム・プリーズ』

音声が鳴ると同時に左手を左に突きだす。

すると左側に魔法陣が出現する。

『ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー!!』

パキィィィンッ!!

魔法陣を通過した瞬間、晴斗は指輪の魔法使い、仮面ライダーウィザード・フレイムスタイルに変身した。
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