理想と現実
一時間後、厨房・・・
「………」
『この写真をSNSに上げてから?』
一時間後、厨房にて抹茶パフェを作っている梨紗の近くに置いているPDIからこの場にはいない千束の声が聞こえてくる。
『えぇ、脅迫リプもきたから怖くてすぐに消したけど、私も彼も変な奴にずっと付きまとわれてて……』
「あら?これってさっきの写真の女?」
「千景に掛けさせた伊達眼鏡の左のテンプルに仕込んだカメラが撮ったライブ映像と音声をこっちにも流してもらってるの。向こうの情報をこっちでも把握できるようにね。」
PDIに映った女性、篠原沙保里を見て首を傾げるミズキに対し、梨紗はそう説明する。
「へぇ~、最近のDAは技術が進んでるのねぇ~。」
『前に付き合っていた相手とか?』
『それ!警察も痴情のもつれだろうって取り合ってくれなかったんだけど、私も彼も前の人なんていない!!本当に心当たりがないの……』
「?心当たりがない……一方的に恋愛感情を抱いたストーカーってこと?」
「千景。問題の写真を見せてくれる?」
梨紗の隣でやりとりを観ていたミズキが首を傾げながらそう言うなか、梨紗は左耳に着けていた特殊無線でそう指示を出す。
すると、千景が首を動かして隣にいるたきなの手にある携帯を覗き込んだのか、画面には携帯画面に映る窓越しの廃ビルを背景にした沙保里とその彼氏である男性のツーショット写真が映し出される。
「いちゃついた写真をひけらかすからこんな目に遭うのよ……」ギリギリ
「僻 まない。っと抹茶パフェができたから持っていってくれませんか?」
「はぁーい……」
『この後ろのビル……』
梨紗がそう言いながらできた抹茶パフェをミズキに持っていかせるなか、画面の向こうでは問題の写真の背景に映っている廃ビルが件 の千丁の銃取り引きが行われていた筈の廃ビルだということに気付いたたきなが小さくそう声を上げた。
『そうそう!ガス爆発事故が起きたビル!!撮ったのは爆発の三時間くらい前だったかな……』
「ガス爆発ねぇ……っと千景。ちょっとその背景の廃ビルを拡大して見せてくれる?」
『井ノ上さん、ちょっとすみません……』
梨紗がそう指示を出した直後、画面にはそう言いながら横から伸ばした千景の二本指が携帯画面を操作して廃ビルの内部を拡大する。
「っ……」
『!?千束さんっ!!』
『ブハッ!?』
次の瞬間、画面に映し出されたたきなが射殺する前の商人達と取り引きをしているテロリストグループと思われる複数の男の姿に梨紗が顔をしかめるなか、画面の向こうではたきなと千束がそう声を上げる。
『な、何かわかったの?』
『あぁ~、いや……この写真、貰えます?』
『?えぇ……』
『(ヒソヒソ)取り引き現場、もろ映ってんじゃん!!』
『(ヒソヒソ)銃は消えたのではなく、既に引き渡されてたのですね……』
『(ヒソヒソ)その相手が写真をSNSで見て……』
「……厄介なことになったわね……」
画面の向こうで千束とたきな、千景の三人がひそひそ声でそう話をするなか、梨紗は軽く頭を抱えながらそう言う。
「……千景。引き続き二人と協力して護衛に当たって頂戴。」
『(ヒソヒソ)了解。姉さん。』
千景にそう指示した後、梨紗はノートパソコンを取り出しSNSを軽く探ってみる。
「写真自体は誰かに拡散された様子はなさそうね……まぁ、例のウォールナットが片っ端から消しているのならそれはそれで面倒だけど……」
梨紗はそう言いながら千景の伊達眼鏡式カメラ兼通信機との中継を一旦切り、PDIを操作する。
「梨紗からFドックへ。誰か応答して。」
『こちらFドック。ノアです。』
梨紗がそう言った直後、そう言う返答と共にPDIの画面に白髪のロングヘアーに白のブレザー、青と白のオーバーパーカーを着た少女が映し出された。
「………」
『この写真をSNSに上げてから?』
一時間後、厨房にて抹茶パフェを作っている梨紗の近くに置いているPDIからこの場にはいない千束の声が聞こえてくる。
『えぇ、脅迫リプもきたから怖くてすぐに消したけど、私も彼も変な奴にずっと付きまとわれてて……』
「あら?これってさっきの写真の女?」
「千景に掛けさせた伊達眼鏡の左のテンプルに仕込んだカメラが撮ったライブ映像と音声をこっちにも流してもらってるの。向こうの情報をこっちでも把握できるようにね。」
PDIに映った女性、篠原沙保里を見て首を傾げるミズキに対し、梨紗はそう説明する。
「へぇ~、最近のDAは技術が進んでるのねぇ~。」
『前に付き合っていた相手とか?』
『それ!警察も痴情のもつれだろうって取り合ってくれなかったんだけど、私も彼も前の人なんていない!!本当に心当たりがないの……』
「?心当たりがない……一方的に恋愛感情を抱いたストーカーってこと?」
「千景。問題の写真を見せてくれる?」
梨紗の隣でやりとりを観ていたミズキが首を傾げながらそう言うなか、梨紗は左耳に着けていた特殊無線でそう指示を出す。
すると、千景が首を動かして隣にいるたきなの手にある携帯を覗き込んだのか、画面には携帯画面に映る窓越しの廃ビルを背景にした沙保里とその彼氏である男性のツーショット写真が映し出される。
「いちゃついた写真をひけらかすからこんな目に遭うのよ……」ギリギリ
「
「はぁーい……」
『この後ろのビル……』
梨紗がそう言いながらできた抹茶パフェをミズキに持っていかせるなか、画面の向こうでは問題の写真の背景に映っている廃ビルが
『そうそう!ガス爆発事故が起きたビル!!撮ったのは爆発の三時間くらい前だったかな……』
「ガス爆発ねぇ……っと千景。ちょっとその背景の廃ビルを拡大して見せてくれる?」
『井ノ上さん、ちょっとすみません……』
梨紗がそう指示を出した直後、画面にはそう言いながら横から伸ばした千景の二本指が携帯画面を操作して廃ビルの内部を拡大する。
「っ……」
『!?千束さんっ!!』
『ブハッ!?』
次の瞬間、画面に映し出されたたきなが射殺する前の商人達と取り引きをしているテロリストグループと思われる複数の男の姿に梨紗が顔をしかめるなか、画面の向こうではたきなと千束がそう声を上げる。
『な、何かわかったの?』
『あぁ~、いや……この写真、貰えます?』
『?えぇ……』
『(ヒソヒソ)取り引き現場、もろ映ってんじゃん!!』
『(ヒソヒソ)銃は消えたのではなく、既に引き渡されてたのですね……』
『(ヒソヒソ)その相手が写真をSNSで見て……』
「……厄介なことになったわね……」
画面の向こうで千束とたきな、千景の三人がひそひそ声でそう話をするなか、梨紗は軽く頭を抱えながらそう言う。
「……千景。引き続き二人と協力して護衛に当たって頂戴。」
『(ヒソヒソ)了解。姉さん。』
千景にそう指示した後、梨紗はノートパソコンを取り出しSNSを軽く探ってみる。
「写真自体は誰かに拡散された様子はなさそうね……まぁ、例のウォールナットが片っ端から消しているのならそれはそれで面倒だけど……」
梨紗はそう言いながら千景の伊達眼鏡式カメラ兼通信機との中継を一旦切り、PDIを操作する。
「梨紗からFドックへ。誰か応答して。」
『こちらFドック。ノアです。』
梨紗がそう言った直後、そう言う返答と共にPDIの画面に白髪のロングヘアーに白のブレザー、青と白のオーバーパーカーを着た少女が映し出された。