理想と現実
たきなside
「10秒だ!そこから出てこい!こいつブッ殺すぞっ!!」
「司令部!これ以上長引かせる余裕はありません!!射撃許可を下さいっ!!」
エリカを人質に取ったリーダー格の商人がそう怒号を飛ばしてくるなか、フキさんがそう射撃許可を求める。
『ザザッ……ザザッ……』
が、インカムから聞こえてくるのはノイズのみ。
「司令部?司令部!?」
「10!」
「くそっ!繋がらねぇっ!!」
「どうするの?フキ……」
「9!」
「ッ……命令は待機だ……」
「それじゃあ、エリカは……」
「ッ……」
どうすれば……あの人だったら……
フキさんとヒバナが暗い表情でそう話をするなか、私、井ノ上たきなはそう思いながら辺りを見渡す。
「8!」
「ッ!!」
そんななか、私は商人達が使おうとしていたソ連式汎用機関銃、PKMを見つける。
「7!6!」
ガシャッ!!
PKMを歯獲した私はすぐさまコッキングをしてベルト弾薬を送りながら構える。
「5!4!」
「構わず撃ってぇっ!!」
「3!」
「えっ!?」
「!?たきな!?」
「2!」
『1』とリーダー格が告げる前に私は構えたPKMの引き金を引いた。
第三者side
スゥゥ……スタッ!!
数秒遡って廃ビルのベランダにて、たきなより一つ下くらいの黒髪のロングヘアーの蒼い制服の少女がアンカーCHGで屋根から音もなく降り立つ。
「こちら、ウイング02。只今、現着しました。」
降り立った後、黒髪の少女…梨紗の現相方であるセカンドリコリス、郡 千景 は左手の腕時計に話しかけるようにそう呟く。
『こちら、ウイング01。こちらも狙撃ポイントに着いたわ。』
直後、腕時計のベルトの金具部分に内臓された特殊無線からそう言う梨紗の声が聞こえてくる。
そんななか、反対側にある非常階段から黄色がかった白髪に赤いリボンを付けた赤い制服の少女、錦木 千束 が駆け上がってくる。
「………」
(セカンド………うわっ!?目ぇ怖っ!?こんな冷たい目、初めて見たんだけどっ!?)
「よ、よろしくぅー……」
千景のハイライトが消えかけている上に少し濁っている紅の瞳に千束は内心そう思いながら、軽く敬礼しながらそう挨拶する。
「……応援のファーストを確認。これから協力して対処します。」
対する千景は軽く会釈しながら特殊無線で梨紗に報告する。
『了解。今回は殺しじゃなくて生け捕り。全員を殺さずして無力化、人質のリコリスを救出する……できるわね?千景。』
「了解。姉さん。」
梨紗にそう返事した後、千景はアンカーアタッチメントを外し元のハンドガン…デザートイーグルに『⚡』のマークをあしらったマガジンを装填する。
「?」
(先生の話じゃ今、通信障害で司令部処か現場のフキ達とも連絡できない筈なんだけど……っていうかインカム付けてない?え?そもそもあの子、何処からきたの?)
『!?千景!すぐにそこから退避しなさいっ!!』
そんな千景の様子に千束がそう思いながら首を傾げるなか、特殊無線から梨紗の警告する声が聞こえてくる。
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドォォォンッ!!
「ッ!!」
「うぉっ!?」
次の瞬間、現場でたきなが歯獲したPKMから放たれた大量の銃弾が窓ガラスを割りながら襲いかかってきた。
「10秒だ!そこから出てこい!こいつブッ殺すぞっ!!」
「司令部!これ以上長引かせる余裕はありません!!射撃許可を下さいっ!!」
エリカを人質に取ったリーダー格の商人がそう怒号を飛ばしてくるなか、フキさんがそう射撃許可を求める。
『ザザッ……ザザッ……』
が、インカムから聞こえてくるのはノイズのみ。
「司令部?司令部!?」
「10!」
「くそっ!繋がらねぇっ!!」
「どうするの?フキ……」
「9!」
「ッ……命令は待機だ……」
「それじゃあ、エリカは……」
「ッ……」
どうすれば……あの人だったら……
フキさんとヒバナが暗い表情でそう話をするなか、私、井ノ上たきなはそう思いながら辺りを見渡す。
「8!」
「ッ!!」
そんななか、私は商人達が使おうとしていたソ連式汎用機関銃、PKMを見つける。
「7!6!」
ガシャッ!!
PKMを歯獲した私はすぐさまコッキングをしてベルト弾薬を送りながら構える。
「5!4!」
「構わず撃ってぇっ!!」
「3!」
「えっ!?」
「!?たきな!?」
「2!」
『1』とリーダー格が告げる前に私は構えたPKMの引き金を引いた。
第三者side
スゥゥ……スタッ!!
数秒遡って廃ビルのベランダにて、たきなより一つ下くらいの黒髪のロングヘアーの蒼い制服の少女がアンカーCHGで屋根から音もなく降り立つ。
「こちら、ウイング02。只今、現着しました。」
降り立った後、黒髪の少女…梨紗の現相方であるセカンドリコリス、
『こちら、ウイング01。こちらも狙撃ポイントに着いたわ。』
直後、腕時計のベルトの金具部分に内臓された特殊無線からそう言う梨紗の声が聞こえてくる。
そんななか、反対側にある非常階段から黄色がかった白髪に赤いリボンを付けた赤い制服の少女、
「………」
(セカンド………うわっ!?目ぇ怖っ!?こんな冷たい目、初めて見たんだけどっ!?)
「よ、よろしくぅー……」
千景のハイライトが消えかけている上に少し濁っている紅の瞳に千束は内心そう思いながら、軽く敬礼しながらそう挨拶する。
「……応援のファーストを確認。これから協力して対処します。」
対する千景は軽く会釈しながら特殊無線で梨紗に報告する。
『了解。今回は殺しじゃなくて生け捕り。全員を殺さずして無力化、人質のリコリスを救出する……できるわね?千景。』
「了解。姉さん。」
梨紗にそう返事した後、千景はアンカーアタッチメントを外し元のハンドガン…デザートイーグルに『⚡』のマークをあしらったマガジンを装填する。
「?」
(先生の話じゃ今、通信障害で司令部処か現場のフキ達とも連絡できない筈なんだけど……っていうかインカム付けてない?え?そもそもあの子、何処からきたの?)
『!?千景!すぐにそこから退避しなさいっ!!』
そんな千景の様子に千束がそう思いながら首を傾げるなか、特殊無線から梨紗の警告する声が聞こえてくる。
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドォォォンッ!!
「ッ!!」
「うぉっ!?」
次の瞬間、現場でたきなが歯獲したPKMから放たれた大量の銃弾が窓ガラスを割りながら襲いかかってきた。