理想と現実
フキside
梨紗がファーストに昇格して私、春川フキとコンビを解消してから一年……京都から異動し私と新たに組むことになったたきなも本部での日々に馴染んできた頃、都内の一角にある廃ビルで銃の取り引きが行われるという情報が本部に入った。
その取り引きを阻止するため、私とたきな、エリカとヒバナの四人が現場に乗り込んで制圧。リーダー格を含めた三人の商人を捕縛する任に就いた。
廃ビル内、六階・・・
「準備は良いか?皆。」
「はい。」
「OK♪」
「大丈夫だよ。」
確認しながら得物を構える私に対し、たきなとヒバナ、エリカの三人もそう言いながら得物を構える。
「司令部。アルファ部隊、これから突入します。」
『了解。作戦開始!』
そうして私達四人は商人とテロリストがいるであろう現場に乗り込んだ。
「!?なんだ!?てめぇら」
パシュッ!!
「ぐわっ!?」
「くっ!野郎っ!!」
ダダダッ!!ダダダッ!!
パシュッ!!パシュッ!!
「ぐわっ!?」
「ガッ!?」
自衛目的で武装した商人のアサルトライフルの銃声が鳴り響くなか、私達は確実に数を減らしていく。
「!?」
(商品の銃がないっ!?)
そんななか、私は商品としての銃が一丁もないことに気付く。
(一体何処に……)
「きゃああっ!?」
「!?エリカッ!!」
「「!?」」
「よくも部下共を殺りやがったな!ガキ共っ!!」
そのことに動揺するなか、エリカがリーダー格に捕まり銃を奪われてしまった。
「ッ……たきな!ヒバナ!一旦物陰にっ!!」
「はいっ!!」
「エリカ……ッ……!!」
くそっ!銃がないことに動揺してしくったっ!!
自らの注意不足に舌打ちしながらも私は二人と共に一旦物陰に身を隠す。
「ふざけやがって……JKの殺し屋だとぉ?何者なんだっ!?てめぇら!!」
完全にキレてやがるリーダー格はエリカから奪ったGLOCK17をエリカ本人の後頭部に突きつけながらそう怒号を飛ばしてくる。
「ッ……司令部へ!こちらアルファ01!リコリスが一名、人質に取られました!至急、応援をお願いします!!」
『こちら司令部。急ぎ『千束』をそちらに向かわせている。奴が来るまでその場で待機!できるだけ商人達の注意を引き付けろ!!』
千束……確かに彼奴ならこの状況を打破できるかもしれないが……っ!!
「ッ………!司令部!梨紗は呼べませんか!?」
『奴にも既に要請は出しているが……っ!!』
『こちら、ウイング01。狙撃ポイントに向かって急行中!PAユニットはメンテ中だから走れない。もう少し時間がかかる。』
『ウイング02。屋根伝いに現場に向かってますが、まだ距離があります。』
私と楠木司令が通信でそう話をするなか、インカム越しに梨紗と彼奴が新たに組んだセカンドリコリス、郡千景の声が聞こえてくる。
「10秒だ!そこから出てこい!こいつブッ殺すぞっ!!」
そんななか、リーダー格がそう言いながらGLOCK17の銃口でエリカの後頭部を何度も小突く。
くそっ!このままじゃ……っ!!
「司令部!これ以上長引かせる余裕はありません!!射撃許可を下さいっ!!」
エリカを一刻も早く救い出すため、司令部に射撃許可を求める。
『ザザッ……ザザッ……』
が、インカムからはノイズしか聞こえてこない。
「司令部?司令部!?」
「10!」
そのことに困惑するなか、リーダー格がカウントを始める。
このままじゃ……っ!!
この時、想定外に想定外の事態が重なり、冷静さを失った私は思わず見落としてしまっていた。
近くにある商人達の武器であるPKMと、それを見つけたたきなの危うさを……
梨紗がファーストに昇格して私、春川フキとコンビを解消してから一年……京都から異動し私と新たに組むことになったたきなも本部での日々に馴染んできた頃、都内の一角にある廃ビルで銃の取り引きが行われるという情報が本部に入った。
その取り引きを阻止するため、私とたきな、エリカとヒバナの四人が現場に乗り込んで制圧。リーダー格を含めた三人の商人を捕縛する任に就いた。
廃ビル内、六階・・・
「準備は良いか?皆。」
「はい。」
「OK♪」
「大丈夫だよ。」
確認しながら得物を構える私に対し、たきなとヒバナ、エリカの三人もそう言いながら得物を構える。
「司令部。アルファ部隊、これから突入します。」
『了解。作戦開始!』
そうして私達四人は商人とテロリストがいるであろう現場に乗り込んだ。
「!?なんだ!?てめぇら」
パシュッ!!
「ぐわっ!?」
「くっ!野郎っ!!」
ダダダッ!!ダダダッ!!
パシュッ!!パシュッ!!
「ぐわっ!?」
「ガッ!?」
自衛目的で武装した商人のアサルトライフルの銃声が鳴り響くなか、私達は確実に数を減らしていく。
「!?」
(商品の銃がないっ!?)
そんななか、私は商品としての銃が一丁もないことに気付く。
(一体何処に……)
「きゃああっ!?」
「!?エリカッ!!」
「「!?」」
「よくも部下共を殺りやがったな!ガキ共っ!!」
そのことに動揺するなか、エリカがリーダー格に捕まり銃を奪われてしまった。
「ッ……たきな!ヒバナ!一旦物陰にっ!!」
「はいっ!!」
「エリカ……ッ……!!」
くそっ!銃がないことに動揺してしくったっ!!
自らの注意不足に舌打ちしながらも私は二人と共に一旦物陰に身を隠す。
「ふざけやがって……JKの殺し屋だとぉ?何者なんだっ!?てめぇら!!」
完全にキレてやがるリーダー格はエリカから奪ったGLOCK17をエリカ本人の後頭部に突きつけながらそう怒号を飛ばしてくる。
「ッ……司令部へ!こちらアルファ01!リコリスが一名、人質に取られました!至急、応援をお願いします!!」
『こちら司令部。急ぎ『千束』をそちらに向かわせている。奴が来るまでその場で待機!できるだけ商人達の注意を引き付けろ!!』
千束……確かに彼奴ならこの状況を打破できるかもしれないが……っ!!
「ッ………!司令部!梨紗は呼べませんか!?」
『奴にも既に要請は出しているが……っ!!』
『こちら、ウイング01。狙撃ポイントに向かって急行中!PAユニットはメンテ中だから走れない。もう少し時間がかかる。』
『ウイング02。屋根伝いに現場に向かってますが、まだ距離があります。』
私と楠木司令が通信でそう話をするなか、インカム越しに梨紗と彼奴が新たに組んだセカンドリコリス、郡千景の声が聞こえてくる。
「10秒だ!そこから出てこい!こいつブッ殺すぞっ!!」
そんななか、リーダー格がそう言いながらGLOCK17の銃口でエリカの後頭部を何度も小突く。
くそっ!このままじゃ……っ!!
「司令部!これ以上長引かせる余裕はありません!!射撃許可を下さいっ!!」
エリカを一刻も早く救い出すため、司令部に射撃許可を求める。
『ザザッ……ザザッ……』
が、インカムからはノイズしか聞こえてこない。
「司令部?司令部!?」
「10!」
そのことに困惑するなか、リーダー格がカウントを始める。
このままじゃ……っ!!
この時、想定外に想定外の事態が重なり、冷静さを失った私は思わず見落としてしまっていた。
近くにある商人達の武器であるPKMと、それを見つけたたきなの危うさを……