プロローグ
「あ!今、梨紗の表情が緩んだっ!!」
「なんか新鮮かも!!」
「ッ……」
それを見て笑顔でそう言うエリカとヒバナの言葉に梨紗は思わずそっぽを向く。
「そうなんですか?」
「こいつは普段から無愛想で仏頂面だからな。司令室だと顰 めっ面………だから、こいつの緩み顔は滅多に見ない。」
「……生真面目なフキに言われるのは心外ね。」
「あ"?」
そっぽを向きながらそう言う梨紗の言葉にフキは若干キレかかる。
「でもまぁ、そんな生真面目で仲間のために一生懸命になるところ、割と好きだったけどね。」
「ッ……誉めてぇのか貶してぇのか、どっちなんだよ……」
が、続けて言った梨紗の言葉に頭を搔きながら、顔を赤らめながらそう言う。
「ま、まぁまぁ、フキも梨紗と組んでからは多少丸くなったんだよ?」
「まぁ、梨紗も最初の時と比べたら多少は喋るようになったからお互い様だと思うけどね。」
「当時は無口・無愛想・無鉄砲の三拍子だったな。」
そんなフキの後ろからエリカとヒバナがそう言うなか、楠木司令も便乗してそう言う。
「はぁ………」
「ちっ……」
そんな三人からの言葉にたきながそう呆けた声を上げるなか、堪えきれなくなったのか梨紗は舌打ちしながら再び壁に寄りかかる。
(((照れ隠し……)))
「……この光景も今回が最後となると思うと、存外寂しいものだな………」
「!?司令……」
「……わかってるとは思うが、貴重なファースト同士を組ませるのは許されない。
よって現時点を以て、フキ・梨紗のコンビは解消。
同時にたきな。おまえには梨紗の後任としてフキと組んでもらう。」
「!?私が……ですか?」
フキと梨紗のコンビ解消と同時に梨紗の後任として指名されたことに対し、たきなは目を丸くしながらそう言う。
「ここに来るまでの京都支部での成績に加え、今回の働きを考慮した結果だ。
異論は認めん。」
「……わかりました。よろしくお願いします。フキさん。」
「あぁ……」
「話は終わりかしら?」
「あぁ、一通りの報告と辞令はこれで終わりだが梨紗。
新しく組みたい相手がいるなら後日、連れてくるように……」
「………」
そう言う楠木司令の言葉に無言で頷いてから梨紗は退室しようとする。
「待て、梨紗。」
が、フキがそう呼び止める。
「……なに?」
対する梨紗は怪訝な表情で振り返りながらそう尋ねる。
フキはエリカとヒバナに目配せをし、エリカがサッチェルバッグからある物を取り出しフキに手渡す。
「んっ……」
「!?これは……?」
「誕生日だろ?今日……」
フキはそう言いながら黄色いリボンでラッピングされた、白と黄緑の縞模様の紙袋を手渡す。
中身を確認すると、シンプルな銀のバレッタが出てくる。
真ん中には綺麗なエメラルドがアクセントとして嵌め込まれている。
「………」
「三人で話し合って、お金も出し合って買ったの。」
「真ん中のエメラルドは梨紗の右足の補助装置から時々、漏れる光の色に合わせてみたの。」
バレッタのエメラルドに思わず見惚れる梨紗に対し、ヒバナとエリカが笑顔でそう言う。
「そういえば、あの光は何なんですか?」
そんななか、たきなは対HWSリーオー戦で見た光について、そう尋ねる。
「特殊な金属で作ったフレームよ。
私の想いに反応しているのはわかっているけれど、何故光るのかは私にもわからないわ。」
そんなたきなに対し、梨紗は補助装置を見ながらそう答えた。
「なんか新鮮かも!!」
「ッ……」
それを見て笑顔でそう言うエリカとヒバナの言葉に梨紗は思わずそっぽを向く。
「そうなんですか?」
「こいつは普段から無愛想で仏頂面だからな。司令室だと
「……生真面目なフキに言われるのは心外ね。」
「あ"?」
そっぽを向きながらそう言う梨紗の言葉にフキは若干キレかかる。
「でもまぁ、そんな生真面目で仲間のために一生懸命になるところ、割と好きだったけどね。」
「ッ……誉めてぇのか貶してぇのか、どっちなんだよ……」
が、続けて言った梨紗の言葉に頭を搔きながら、顔を赤らめながらそう言う。
「ま、まぁまぁ、フキも梨紗と組んでからは多少丸くなったんだよ?」
「まぁ、梨紗も最初の時と比べたら多少は喋るようになったからお互い様だと思うけどね。」
「当時は無口・無愛想・無鉄砲の三拍子だったな。」
そんなフキの後ろからエリカとヒバナがそう言うなか、楠木司令も便乗してそう言う。
「はぁ………」
「ちっ……」
そんな三人からの言葉にたきながそう呆けた声を上げるなか、堪えきれなくなったのか梨紗は舌打ちしながら再び壁に寄りかかる。
(((照れ隠し……)))
「……この光景も今回が最後となると思うと、存外寂しいものだな………」
「!?司令……」
「……わかってるとは思うが、貴重なファースト同士を組ませるのは許されない。
よって現時点を以て、フキ・梨紗のコンビは解消。
同時にたきな。おまえには梨紗の後任としてフキと組んでもらう。」
「!?私が……ですか?」
フキと梨紗のコンビ解消と同時に梨紗の後任として指名されたことに対し、たきなは目を丸くしながらそう言う。
「ここに来るまでの京都支部での成績に加え、今回の働きを考慮した結果だ。
異論は認めん。」
「……わかりました。よろしくお願いします。フキさん。」
「あぁ……」
「話は終わりかしら?」
「あぁ、一通りの報告と辞令はこれで終わりだが梨紗。
新しく組みたい相手がいるなら後日、連れてくるように……」
「………」
そう言う楠木司令の言葉に無言で頷いてから梨紗は退室しようとする。
「待て、梨紗。」
が、フキがそう呼び止める。
「……なに?」
対する梨紗は怪訝な表情で振り返りながらそう尋ねる。
フキはエリカとヒバナに目配せをし、エリカがサッチェルバッグからある物を取り出しフキに手渡す。
「んっ……」
「!?これは……?」
「誕生日だろ?今日……」
フキはそう言いながら黄色いリボンでラッピングされた、白と黄緑の縞模様の紙袋を手渡す。
中身を確認すると、シンプルな銀のバレッタが出てくる。
真ん中には綺麗なエメラルドがアクセントとして嵌め込まれている。
「………」
「三人で話し合って、お金も出し合って買ったの。」
「真ん中のエメラルドは梨紗の右足の補助装置から時々、漏れる光の色に合わせてみたの。」
バレッタのエメラルドに思わず見惚れる梨紗に対し、ヒバナとエリカが笑顔でそう言う。
「そういえば、あの光は何なんですか?」
そんななか、たきなは対HWSリーオー戦で見た光について、そう尋ねる。
「特殊な金属で作ったフレームよ。
私の想いに反応しているのはわかっているけれど、何故光るのかは私にもわからないわ。」
そんなたきなに対し、梨紗は補助装置を見ながらそう答えた。