ゲームとパンツと黒鴉と……

「………協力関係を結んでもらえた所で悪いけれど、確認したい事があるわ。」

「何か?」

「貴女と桜歌………鳴護アリサとの関係は分かった。でも学園都市に居たのって、今から何年前?」

「………47年程前だ」

「「っ!?」」

同盟が締結した直後、佳奈多からの問いにそう答えるシャットアウラの言葉に梨紗とノアは困惑の表情を浮かべる。

「姉さん?ノアさん?」

「おかしい…!」

「はい、あり得ません…!」

「あり得ないって、どういう事っすか?」

「母さん達が亡くなったのは5年前。その時の母の歳は42歳。」

「シャットアウラさんが鳴護アリサさんと共にいた年に、お母様が産まれた事になるんです…!」

「「「「「「!?」」」」」」

「やはりそうよね………シャットアウラさん、まだ何か知っている事があるんじゃ無いかしら?」

梨紗とノアからの指摘に千景やイチカ達六人がそう困惑の表情を浮かべるなか、佳奈多は続けてそう尋ねる。

「………ふぅ、流石に当時の朝鳴技研の腹心には気付かれるか。分かった、本当の事を話そう。にわかには信じ難いだろうが、今から話すことは真実だ。」

対するシャットアウラはそう言いながら、かつての『88の奇蹟』並びに『エンデュミオンの奇蹟』について、話し始める。

「全てはオリオン号墜落事故で起きた『88の奇蹟』から始まった………」

「88の奇蹟………今から50年前に起きた事故ですね。」

「当時、私もオリオン号に乗っていた。エンジントラブルで機内がパニック状態になる中、私はこれを手に必死に願った。『私の大切なものを失っても良い。だからどうか皆を無事であるように』と……」

『88の奇蹟』について、『鳴護アリサ』について調べる過程で見た資料等で記憶していたノアがそう言うなか、シャットアウラはそう言いながら蒼い輝石を取り出す。

「見たこと無い輝石やな………」

「何だか夜空みたいッスね……」

「気が付いたら学園都市で、周りは全員無事だと歓喜していた。私も最初は嬉しかった。だがその後、持っていたコレの半分が無くなっていて、機長をしていた父だけが亡くなったのだと聞かされた。それから三年、私は『奇跡』を否定しながら生きた。そんな中、任務で鳴護アリサと出逢った。」

「出逢った…?」

「当時の雇い主の会社でプロ歌手デビューする事になったアリサを秘密裏に警護しろ、それが我々に与えられた任務だ。様々な勢力が彼女を巡り争うなか、我々はなんとか彼女を確保することに成功した。だがその時、彼女の荷物から輝石コレの片割れが出てきたんだ。」

シャットアウラが取り出した輝石を見て、ホリィとイチカがそう言うなか、首を傾げながらそう尋ねる梨紗に対し、シャットアウラは輝石を翳しながら真剣な表情でそう説明した。
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