ゲームとパンツと黒鴉と……

第三者Side

「こちらですか?隊長。」

その頃、住宅街でレンタルルームとして展開しているマンションの一室の前にて、クロウ2がそうシャットアウラに尋ねる。

「ああ。足を付かせないためにも、知り合いの名義を借りたのだろう。」

対するシャットアウラはそう言いながらインターホンを押す。

ピンポーン

ガチャッ!!

「お待ちしてました。中へお入りください。」

次の瞬間、中から現れたアコの案内で二人はリビングへと移動する。

「こんにちは。私とは、はじめましてですね。朝鳴技研リーダーの朝鳴梨紗です。」

次の瞬間、既にリビングにいた、ファーストリコリスの制服に車椅子姿の梨紗がそう挨拶する。

「民間警備隊、黒鴉部隊隊長のシャットアウラ・セクウェンツィアだ。今日は随分と大所帯のようだな。」

対するシャットアウラもそう挨拶を返しながら屋内を見渡す。

室内には梨紗とアコだけでなくノアと千景、イチカと来弥、佳奈多と深紗希、ホリィの姿もあった。

「はい。今回は我々にとっても、非常に重要な話ですので………どうぞ、お掛け下さい。」

梨紗に促されたシャットアウラは梨紗と対面になるように近くにあった長椅子に腰掛ける。

クロウ2も側近の如くその背後に控える。

「それで?私に聞きたいことがあるのだろう?」

「では、単刀直入にお尋ねします。鳴護アリサ……母とはどのようなご関係ですか?」

長椅子に腰掛けた後、そう切り出すシャットアウラに対し、梨紗は真剣な表情でそう尋ねる。

(やはりアリサと母親を同一視しているか……)

「……彼女とは『学園都市』で姉妹同然に共に育った間柄だった……とだけ言っておこう。」

対するシャットアウラはそう思いながらそう答える。

「『学園都市』……科学の街ですか……」

「貴女達も彼女のチカラのことは知ってるだろ。あの『奇蹟』のチカラは学園都市でも調べられていた……結局、学園都市そのものが崩壊する時まで解明することは叶わなかったようだが……」

「桜歌さんが学園都市の……」

「そんな話、聞いたことないんやけどなぁ……」

「乙女なら誰しも秘密の一つや二つ抱えているものだ。例えば、そこにいる彼女とか……」

梨紗の母親、鳴護アリサ朝鳴桜歌が学園都市の関係者だったということにアコとホリィがそう言うなか、シャットアウラはそう言いながらノアの方に視線を向ける。

「?」

「?ノアがどうかしましたか?」

「貴女……元は『フラナガン機関』の被験者の一人……違うか?」

「ッ!?何故、そのことをっ!!」

「「「「「ッ!!」」」」」

「ッ!!」

真剣な表情でそう尋ねるシャットアウラの言葉にノアがそう困惑の声を上げるなか、梨紗とイチカ、来弥以外の五人は臨戦態勢を取り、シャットアウラの背後に控えるクロウ2もすぐさま対応できるように構える。

「?」

「?フラナガン機関?」

「はぁ……皆、落ち着いて。少なくとも、彼女に敵意は感じないわ。」

「クロウ2。おまえもだ。」

シャットアウラが口にした『フラナガン機関』という単語にイチカが首を傾げ、来弥も首を傾げながらそう言うなか、梨紗とシャットアウラはそう言いながら構える皆を落ち着かせる。

「驚かせてすまなかったな。」

「いえ。しかし、何故、貴女がフラナガン機関のことを?」

「なに、単に彼女と同じ被験者だった子を一人、黒鴉部隊わたしたちの方で保護していたというだけの話だ。」

「そうですか……シャットアウラさん。お願いしたいことがあるのですが……」

「なんだ?」

朝鳴技研わたしたちは私の両親や多くの仲間の命を奪い、父の研究していたG装備を強奪した謎の組織、ホワイトファングを追っています……協力してくれませんか?」

「それは両親や仲間の仇を取るのに手を貸してくれということか?」

「……それもあります。ですが、一番の理由は父の『夢の結晶』であるG装備に血を流させないためです……」

「なるほど……」

「どうかご検討願えませんでしょうか?お願いします……」

梨紗はそう言いながら頭を下げる。

(どうやらかつての私のように復讐心に囚われている訳ではなさそうだな……)

「……良いだろう。元より君の“力”になってやってくれとアリサから頼まれていたからな。」

「ありがとうございます。」

こうして梨紗達Fドック朝鳴技研とシャットアウラ率いる黒鴉部隊の同盟が締結したのだった。
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